クロウサギ交通事故防止キャンペーン

奄美に到着した人たちにパンフレットを配布する環境省の職員たち

奄美空港で 野生生物の保護を啓発 環境省

 環境省沖縄奄美自然環境事務所奄美群島国立公園管理事務所は18日、多発するアマミノクロウサギの交通事故の防止キャンペーンを奄美空港到着ロビーで行った。観光客など来島者に対して、夜間の安全運転を呼びかけるもので、奄美空港に到着した人たちにクロウサギの交通事故が多発している地域を示したパンフレット(100枚)を配布。野生生物の保護を訴え、啓発を促した。

 アマミノクロウサギは9月から繁殖期に入り活動が活発になる。それに伴い交通事故の多発する秋期にかけて毎年同キャンペーンを実施している。

 環境省によると、2000年1月~20年12月の交通事故による死亡件数は364件(奄美・徳之島合計)。月別だと10月が最も多く51件(14%)、9月~12月の合計は171件(46.9%)と全体の約半数を占める。また00年1月~21年7月末までの交通死亡件数は394件。年別に見ると18年21件、19年23件に対して、20年は倍の50件に増加している。奄美野生生物保護センターの晝間(ひるま)さよこ自然保護官補佐によると、天敵のマングースが少なくなりアマミノクロウサギが増えてきていることも関係しているようだ。より一層の安全運転の意識が必要になってくる。

 キャンペーンに足を止めた来島者たちは、野生生物のはく製を興味深く見入っていた。
パンフレットをもらった50代女性は「子どもが奄美市にいるので奄美に来た。今日東京に帰るので空港に来たが、途中の道路にクロウサギ注意の看板を見て気になっていた。世界自然遺産になった奄美はこれから注目されるので、野生生物の保護は課題だと思う」と話した。