健康の秘訣は「趣味」

自慢の庭の前に立つ上野さん夫婦=知名町正名=

知名町の上野富實さん(83)
夫婦で楽しむ 花づくりに家庭菜園、ゲートボールも

 【沖永良部】知名町正名に住む上野富實さん(83)。健康の秘訣は「趣味を持つこと」と笑顔で話す。花づくりに家庭菜園、竹細工、最近はゲートボールにはまっている。

 「第1ゲートを通った時の気分がなんとも言えない」。初めてスティックを握ったのは70歳を過ぎてから。そこからメキメキと上達し、今年は郡体ゲートボール競技の選手として出場を果たした。

 花づくりの経験は長く、小学校教諭として働いていた頃まで遡る。児童と一緒に学校の花壇を手入れしたのは、大切な思い出の一つ。赴任した小学校では、花壇コンクールの最優秀賞に輝いた。「子ども達の心の成長には一番いい」。

 自宅の庭は、妻のヨシ子さん(69)と亡くなった母親と3人で設計し、花でいっぱいにした。上野さんのこだわりで、花は種から育てたものばかり。花が咲いたら、種を採取して、また植え付ける。毎年4~5月ごろには、満開の花を見ようと多くの知人らが訪れるという。

 家の中には、手作りの竹細工が飾ってある。歴は20年ほど。今では、町の中央公民館講座で夫婦そろって講師を務めるほどの腕前だ。

 家庭菜園も始めてから10年が経過、毎朝の畑仕事が日課になっている。無農薬で作ったバナナは見た目も味も格別。作った物は近所にお裾分けする。「買う方が楽だけど、好きな物は自分で作ってみたくなる。食べるよりも作るまでの過程が好き」と表情を和ませた。

 ほかにも、絵を描くことや工作、詩吟も趣味。80歳を過ぎて、何事も夫婦で楽しむようにしている。

 結婚して今年で45年。「金婚式まで元気でいましょうね」とヨシ子さんが言うと、満面の笑顔で上野さんはうなずいた。