奄美市国保運営協

20年度事業状況が報告された奄美市国民健康保険運営協議会

累積収支1億4千万の黒字
20年事業報告 受診控え、医療費は4.9ポイント減

 奄美市国民健康保険運営協議会(林山克巳会長、委員12人)の2021年度第1回目の会合が21日、同市役所であり、20年度国保事業状況の報告があった。20年度の単年度収支は9160万円の黒字を計上。累積の収支状況を示す形式収支は1億4155万円で前年に続いて黒字を確保したものの、法定外繰入金などをあわせた実質的な単年度収支は4511万円の赤字になった。なお、医療費は同4・9ポイント減の39億4630万円。コロナ禍で受診控えが影響したとみられる。

 単年度収支は6年連続の黒字。累積赤字は19年度に解消した一方、保険料減額や決算などの補てんに備える法定外繰入金には前年度比5千万円減の1億5千万円が充てられ、実質的な単年度収支は赤字になった。

 被保険者数は前年度比368人減の1万792人で市全体の占有割合は同0・4ポイント減の26・3%。ともに減少が続いている。

 医療費総額は同2億312万円減の39億4630万円で、1人当たりの医療費も同6413円減の36万5669円と減少。コロナ禍の中、感染を恐れて外来や検査の受診を控えたこと、マスク着用の定着などで呼吸器系疾患が減ったことなどを要因に挙げた。

 収納率は同2・06ポイント増の95・26%で、滞納繰越分は11・16ポイント増の31・47%。滞納繰越分の達成に加え、収納率でも県が掲げる指標94・0%を上回った。

 県指標では33項目中26項目を達成。収納率、後発医薬品の使用割合などで指標を達成した一方、新規透析導入者数が6人増えるなど、指標を下回った。

 協議では、特定健診の受診率向上や健康増進に向けた町内放送の活用などで質問が相次いだ。受診控えに伴う医療費の減少について「評価(分析)し今後に生かせないか」などの提案もあった。

 次回は11月ごろを予定している。