県内初、マイクログリッド構築で包括連携協定

協定書を持つ今井力夫町長(左)と役場企画振興課の西隆盛さん(右)=22日、知名町役場=

京セラと沖永良部2町 エネルギーの地産地消へ

 【沖永良部】沖永良部2町と京セラ(株)(谷本秀夫代表取締役社長)は17日、マイクログリッド構築や再生可能エネルギーによるモビリティ活用などに関する包括連携協定を結んだ。脱炭素化へ向けた再生可能エネルギーの地産地消や災害時の電力供給のほか、電力需給技術の構築による雇用創出を図る。知名町によると、同社が自治体と協定を結ぶのは、神奈川県小田原市に続き2番目。県内では初。

 マイクログリッドは小規模なエネルギーネットワークのこと。大規模発電所の電力供給に頼らず、コミュニティーでエネルギー供給源と消費施設を持ち、地産地消する。

 今年度は、国の「地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金」を活用し、島内でのマイクログリッド導入プランを作成する。来年度以降、マイクログリッドの構築や太陽電池、蓄電池、エネルギーマネジメントシステム(EMS)などの導入を進めていく計画。

 協定締結に向け、知名町と同社で1年前から協議を重ねた結果、▽島全体の脱炭素化▽レジリエンス(災害への対応力)機能の向上▽地域経済の循環▽発電コストの削減―などを実現するため、島全体で事業に取り組むことになった。

 調印は、新型コロナウイルス感染予防のためオンラインで行った。

 知名町役場企画振興課の西隆盛さんは「二酸化炭素を減らしながら、人口と雇用を増やしたアメリカのポートランドのような町を目指したい」と話した。

 今井力夫町長は「脱炭素化の取り組みに大きな拍車がかかると期待している。将来的に島全体の経済を動かす事業になるだろう」と語った。