芦花部の南洲神社で行われた例大祭
芦花部の南洲神社で例大祭
西郷隆盛の命日にあたる24日、奄美市名瀬芦花部の南洲神社で例大祭が行われた。没後144年の今年は、新型コロナウイルス感染症を考慮して、昨年に引き続き関係者のみの少人数の参拝者で執り行われた。
同神社は1940年(皇紀2600年)鹿児島の南洲神社で御神体分霊を行い、同年12月に芦花部の聖地といわれるこの地で地鎮祭、遷座祭、鎮座祭を行った。五つに分社したうち、奄美では沖永良部にもあり、宗教法人扱いは鹿児島の総本社と芦花部の同神社のみ。例大祭は一時中断されていたが、奄美市名瀬の高千穂神社の禰宜=ねぎ=で、南洲神社の宮司を兼ねる當郷裕之さん(54)が、芦花部集落の町内会に声を掛けて、2018年に11年ぶりに実施された。今年で4年連続の開催になる。
参拝者は、重江隆和さん(芦花部集落区長)、同神社を管理している福井浩明さんを含め、集落関係者5人のみ。昨年参列した奄美西郷塾のメンバーは欠席した。例大祭は當郷さんの進行の下、祝詞奏上や玉串拝礼などが神事が厳かに行われた。
参列した重江さんは「来年は小学生たちにも見てほしい。午前中の授業の一環として、子どもたちに奄美の歴史や文化を知るきっかけになればいい」と話した。當郷さんは「コロナ禍の中、規模を小さくしてでもやりたかった。今後コロナが収束し、没後150年目の節目の例大祭は盛大に行いたい。そのためにも集落と協力し合って続けていきたい」と述べた。