「アマミノクロウサギを一緒に守ろう!」

アマミノクロウサギの資料などを手に笑顔の児童たち(左が大熊教諭)

元気いっぱいに課題と対策を紹介する児童

オンラインを通じて児童と意見を交わす山田客員教授

昭和女子大付属小児童ら
動物学者とオンライン授業

 【東京】世田谷区の太子堂に学び舎を広げる、昭和女子大学付属昭和小学校(真下峯子校長)でこのほど、動物学者の山田文雄さんとのオンラインで「アマミノクロウサギの保護活動」をテーマに授業が行われた。4年2組の児童(36人)らは、目を輝かせながら活発に意見を交わしていた。

 奄美の自然に触れる総合学習の機会があり、担任教諭の大熊太郎さんが、沖縄大学の客員教授・山田文雄さんとつながったことで実現したもの。授業はこれで4回目。個々に夏休み中に考えてきた「アマミノクロウサギのために、何ができるか」をグループごとに集約。元気いっぱいのあいさつに続いて、代表者が発表した。

 「アマミノクロウサギの交通事故防止」を課題にしたグループは「運転手に知らせるセンサーを車内に設置する」。また、「観光客のごみ問題」に取り組んだグループは「縫いぐるみや特産品を交換できるポイントシステムがあれば」と提案。ほかに「森林伐採」などの課題について対策が紹介された。これに対して、山田さんは「とてもいいアイデアですね」「こうすると実現性はあります」などとオンラインで応じていた。

 アイパッドを巧みに操りながらの活発な授業風景を、中山光子副校長も頼もしそうに見守っていた。児童の視点からユニークな発想が披露された充実の60分。36人のうち9人が、奄美大島を訪れたことがあるという。大熊さんは「子どもたちのアイデアを形にして奄美大島に届けたい」と意欲を語った。児童らの思いは、千数百キロを飛んで年度内には、奄美市や観光課などに届けられる予定となっている。