市民交流センター完成祝う

テープカットで施設の完成を祝った落成式


5日から供用開始される市民交流センター

ホールや図書など多機能型 地域交流、文化活動促進に期待
中心市街地活性化も

 奄美市が同市名瀬柳町の旧名瀬保健所跡に整備を進めてきた「市民交流センター」がこのほど完成し、2日、同センターで落成式が行われた。朝山毅市長ら関係者約70人が出席、テープカットなどを行い、中心市街地に立地した多機能型交流拠点施設の完成を祝った。同センターは5日から供用開始予定で、地域住民の交流促進や伝統文化活動等の拠点施設としての利用など、中心市街地に近い立地を生かした地域活性化も期待される。

 同センターは、市役所本庁舎建設に伴い解体された名瀬公民館の代替施設として、昨年3月に着工、9月27日に完成した。鉄筋コンクリート3階建て(延べ床面積3062平方㍍)。1、2階には354人収容(2階席100人)の多目的ホール「マチナカホール」や図書・学習コーナー、市民の憩いの場として利用可能なフリースペース、ギャラリーなどを整備、3階には20~100人規模が利用可能な多目的室や工芸室などの生涯学習施設などを設置、敷地内に駐車場(47台)も整備している。建設事業費は約27億円。

 外観は奄美の高倉をモチーフに大島紬柄のスクリーンを配置、敷地内にサガリバナを植栽するなど奄美らしさを演出している。

 ホールで行われた式典では、田中一村の作品「奄美の海に蘇鐵(そてつ)とアダン」を図柄として採用した西陣織の緞帳(どんちょう)披露や3月に制定された奄美市民歌碑の除幕なども行われた。

 緞帳は幅12㍍、高さ7・9㍍。西陣織の職人による手織りで、制作費は図柄の監修費や輸送費などを含め約1700万円。図柄として採用した同作品は1961年に制作されたもので、ソテツとアダンの樹間の向こうに立神を配す構図となっている。

 朝山市長は「学び、教え、伝え、広げるをコンセプトに親しみ楽しめる空間を備えた市民の多様な交流の場となる施設ができた。地域住民に末永く親しまれる施設になることを願っている」などとあいさつ。中心市街地の活性化と社会教育活動の拠点施設の完成を喜んだ。