〝輪禍防止〟横断幕を設置

すみようヤムラランド「三太郎の里」に

 奄美市住用町の観光拠点施設「三太郎の里」の観光案内所を運営するNPO法人すみようヤムラランドは1日、アマミノクロウサギなどの希少生物のロードキル(輪禍)防止を啓発するため、館内に横断幕を設置した=写真=。同法人の満田英和理事長は「世界自然遺産の登録地を有する住用町から輪禍防止を訴え、希少生物を守っていきたい」と話している。

 横断幕は同法人スタッフの手作り。大きさは横4㍍50㌢、縦70㌢で、アマミノクロウサギやアマミヤマシギなどの希少生物が描かれ、輪禍防止のためのメッセージが記載されている。同施設の休憩スペースの一角に掲示。地元紙の関連記事を掲示するコーナーと、ロードキルに関する意見箱も設けた。

 同法人は約5年前から、独自で輪禍防止のためのキャンペーンを行ってきた。しかし新型コロナウイルスまん延などの影響から活動は一時中断。同施設もコロナの感染状況に合わせ休館を余儀なくされた。この夏も8月20日から9月30日まで休館していた。

 環境省のまとめによると、アマミノクロウサギは、2020年に死亡件数が奄美大島と徳之島で66件と過去最多を更新。21年は7月末時点で奄美大島23件、徳之島8件と前年の約半数に上る。例年のデータでは、輪禍件数は9月以降増加傾向にある。満田理事長はこれらの数字を受け、同企画を考案したという。「観光客はもちろん、地域の親子連れをはじめ多くの島民が訪れるこの場所で、できることから取り組んでいきたい。多くの人の目に留まれば」と満田理事長は語った。