エコ手法壁画でアピール

世界自然遺産登録を記念した壁画制作に取り組んだ参加者たち=2日、徳之島町


電気と水だけでの「エコ手法」の壁画制作

自然遺産登録を記念 徳之島町の青少年ら

 【徳之島】「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録(7月26日)を記念した壁画制作が2日、徳之島町亀津の海岸防波堤であった。町内の中・高校生ら青少年たちが、壁面の汚れを水圧で落としながら描くリバース・グラフィティ手法で挑戦。アマミノクロウサギや海洋生物など〝生物多様性の島〟を表現した。

 同町企画課が世界自然遺産登録を記念、ふるさと納税財源を活用した助成事業の一つ。対象は青少年育成に関する各種研修や地域ボランティア活動に取り組んでいる同町のジュニア・リーダークラブ「てぃだまい隊」(小学5年生~高校3年生32人)。初制作には約20人がチャレンジした。

 キャンバスは、町役場にも近い「亀津児童公園」沿いの海岸防波堤(高さ約2㍍)の延長約40㍍。子どもたちは事前の活動で準備したさまざまな生物の下絵や、町の発注協力でレーザーカットした型紙代わりのアクリル板などを持参した。

 水垢や排気ガスなどで黒ずんだ壁面に、思い思いにまずチョークで下描き。保護者ら大人の安全サポートを受けながら高圧洗浄機のノズルを絵筆代わりに、フリーハンドやアクリル板でマスキングしながら表現。残暑をいやす水しぶきの後には、クロウサギのほか、クジラやカメ、イルカ、熱帯魚、サンゴなど海洋生物がモノクローム状に浮かび上がった。

 「てぃだまい隊」リーダーの平一愛(ちなり)さん(17)=徳之島高3年生=は「徳高の教室からも見えるザトウクジラを描いた。世界自然遺産登録をPRするとともに、徳之島のこの美しい自然を守り維持する意識づけができたらと思います」と話していた。

 町企画課の米山太平自然保護係長は「電気と水さえあれば描ける。引き続き適当な場所を探して記念壁画を広げたい」と話した。