Zoomで行われた「オンライン旅行商品造成・販売説明会」
鹿児島県、沖縄県などは4日、新型コロナウイルス下の新たな観光需要を掘り起こすため、オンラインを活用した観光ツアーを推進する事業に乗り出した。事業開始イベントでは「オンライン旅行商品造成・販売の説明会」を開催。世界自然遺産に登録された沖縄県とも協力し、奄美群島の食や自然の魅力を紹介するオンライン旅行の企画販売を後押しする。
オンライン旅行は、パソコンやスマホを使って現地と自宅をオンラインで結び、離れた場所でも観光資源を疑似体験できるデジタルサービス。事前に交流を創出することで現地に足を運ぶ、新たな振興策として注目が集まっている。
事業は、来年2月末までに4回を予定。観光・物産事業者を対象に、▽マンツーマンでの商品造成▽旅行会社や予約サイトとのマッチング▽販売プロモーション―などを支援する。
この日は、ネット取引旅行会社・アクティビティジャパン(東京都)代表の小川雄司さんがZoomで説明会を実施し、参加者らは事業者のオンラインツアーを実際に体験。小川さんは、オンライン旅行の目的が「旅の予習」であること、市場規模は増えつつあることなどを説明した上で、「ガイドの熱量が伝わればリピーターも増える。少しずつ特産品や地域イベントも組み合わせながら高単価を確保してほしい」などと訴えた。
オンラインツアーでは、座間味島のカラフルウェーブ・大坪弘和さんが、参加者と会話やクイズを楽しみながら自然散策をライブで配信。石垣島の手作り体験工房ゆんたく・前田郁恵さんは事前に商品を郵送したという想定で、ラー油づくりの見学ツアーを中継した。
質疑では、運用に必要な機材や準備期間などが質問。小川さんは「行きづらい所ほどニーズは高い。オンラインとオフラインを使い分けながら、客の選択肢が増えるよう企画提案してほしい」とアドバイスした。
なお事業は、2021年度「奄美・沖縄」オンライン旅行商品造成サポート事業の一環。次回は、10月中旬ごろを予定している。