奄美の政党関係者 期待と批判の声

「若手登用、刷新期待できる」 「説明責任果たさず、国民不在」
岸田新首相誕生

 臨時国会が召集され、衆参両院の本会議で自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に選出された4日、奄美の政党関係者からは、国の新たなリーダーに対する期待や山積する課題への対応などへの注文の声もあがった。昨年9月に発足した菅政権が1年余りで幕を閉じ、次期衆院選日程も固まる中、与党側からは、「若手の人材を多く登用、内閣の刷新が図られた」と、岸田首相の手腕を評価する一方、野党側からは臨時国会の会期延長に応じない姿勢に、「説明責任を果たさず、国民を無視した政権」などと批判があがった。

 自民党奄美支部の竹山耕平幹事長は「国民の声にしっかりと耳を傾ける岸田首相の姿勢が、新内閣からも感じる。若手の登用など適材適所の人事で、国民の期待も大きい。総裁選で議論を尽くしたことで、国民の信頼に応えることのできる政党であることも示せた。衆院選に向け、党として一致団結して戦う体制も整った」と話した。

 公明党県本部の成尾信春代表は「岸田首相は自民党の政調会長も経験しており、与党としての我が党の政策も理解している。新内閣も老壮青バランスの取れた安定した布陣で、女性も多く登用するなど期待が持てる。両党の政策を合致させながら、新型コロナ対策など国民目線の政策を推進してもらいたい」と期待した。

 立憲民主党の関誠之奄美市議は「13人が初入閣し新鮮さはあるが、人物像や仕事における能力は分かりづらく未知数。安倍元首相の影響力が透けて見え、国民に無関心の自民党政治は変わっていない。新型コロナ対策など課題山積の中、国会での議論を尽くさず衆院選を行う国民を無視した独善的なやり方は納得できない」と批判。

 日本共産党奄美市地区委員会の﨑田信正委員長も「憲法9条改定や原発再稼働推進、森友や桜を見る会などの国政私物化疑惑解明に背を向け、政治とカネの問題でも安倍・菅政権の継続そのものであり、国民に寄り添う政治は期待できない。政権のご都合主義の衆院選日程は、国会での追及を逃れるためのもので、国民をバカにしている」と語った。