厳島神社生まれ変わる

生まれ変わった佐仁の厳島神社

祝賀会をする栄サダエさん(前列中央)と、山口弘美さん(前列左)=いずれも提供写真=

ユタ神が縁をつくり様々な人が協力
笠利町佐仁集落、改修工事終了

奄美市笠利町佐仁にある「厳島神社」の改修工事が終了し、祝賀会がこのほど同神社で執り行われた。改修工事は同集落の栄サダエさん(80)を中心に、山梨県在住の山口弘美さんが発起人となり、様々な人の縁で行われた。

元々同神社は、佐仁小学校の裏手の「おがみ山」の山中にあったが、そこから山の麓に移動したものだった。小学校裏に移動された同神社は、年月とともに風化し、集落の人口減少や高齢化も伴って補修もされないままの状態だった。

「ユタ」を生業にしている栄さんは、広島の厳島神社を訪ねる機会があり、同神社の美しさに感銘を受け、佐仁の厳島神社も再建できないかと考えた。集落に声を掛けたが、なかなか重い腰をあげなかったので、当初は夫の隆明さん(84)と2人で神社の手摺磨きなどをしていた。以前から「ユタ神」としての栄さんを訪れていた山口さんがその話を受け、山梨県の有志を募り改修計画が始まったのが今年2~3月のことだった。

改修工事は4月上旬から約1カ月。山口さんらはその間、可能な限り山梨と奄美を往復した。また奄美市名瀬長浜町の㈲碩興業(碩茂代表)や、地元の竹田洋二さん、安田英一さん、越間悟さん、などの協力を得て厳島神社の改修工事が終了した。

10本の支柱と屋根には真っ赤なペンキが塗られ、天井と壁は真っ白に、床のコンクリートも打ち直されて、生まれ変わった厳島神社。祝賀会には山口さんと山梨県の有志をはじめ、地元の協力者たち、集落の人々が集まり、盛大に行われた。

栄さんは「厳島神社とは何も関係のない山口さんや山梨県の有志たちに、こんな立派な神社にしてもらった。感謝してもしきれないくらいの気持ちでいっぱいだ」と話した。また、クガツクンチ(旧暦9月9日)の奉納も同神社で執り行う予定だと言う。

山梨県の有志は以下の通り。(敬称略)

山口弘美、武永修一、足立睦男、足立裕志、塚谷賢司、立石賢司、真田忠弘、赤石勝義