日程決定、3氏の動き活発化

政治情勢変化、奄美入り陣営も 衆院選鹿児島2区

岸田文雄首相が14日に衆院を解散し、総選挙を19日公示、31日投開票とする日程を明らかにしたことで、奄美群島を含む鹿児島2区の立候補予定者も選挙戦に向けた動きを活発化させている。同選挙区では現在、現職と新人2人の3氏が立候補を表明、支持票固めや票の掘り起こしに取り組んでいる。菅内閣の総辞職を受けた岸田首相の誕生など、1カ月前とは大きく政治情勢も変化している。緊急事態宣言の解除を受け、新型コロナウイルスの影響でこれまで制限されていた活動も緩和された。奄美入りする陣営もあり、今後の動きから目が離せない。

同選挙区に立候補を表明しているのは、自民党現職で現在3期目の金子万寿夫氏(74)、無所属で前知事の三反園訓氏(63)、共産党新人で元県議の松崎真琴氏(63)。

4期目を目指す金子氏は、岸田首相の誕生で、「有権者の反応も良くなっている。政権が刷新され、新たなリーダーへの期待も大きい」と手応えを感じている。これまでも機会あるごとに奄美入りし、地元の市町村議らとともに支持者へのあいさつ回りなどを重ねてきた。

大票田の鹿児島市谷山地区で10日、選挙事務所の開所式を行い、支持浸透を図ることにしており、奄美入りは16日の予定。南薩4市にもこれまでになく足を運び、支持浸透を図っている。

三反園氏は、出身地の指宿市を中心に支持拡大を図っている。前知事の知名度を生かし、谷山地区でも無党派への浸透を狙っており、昨年から続けている辻立ちでは「いろんな人と目と目、心と心で会話できている」と話す。

岸田内閣が誕生した4日は奄美大島入り。ペンとメモ帳を手に奄美市名瀬の中心商店街などを歩き、親近感をアピール。知事時代に27回訪れたことなどを挙げ、「奄美は第二のふるさと。現場の声を国政に届けたい」と訴えた。

松崎氏は、昨年9月の立候補表明以降、県内全域で街頭演説をこなし、野党共闘による政権交代を訴える。新型コロナウイルス対策を巡る政権の対応を批判、奄美大島をはじめとする南西諸島の軍備増強反対などを掲げ、「政治とカネの問題など自民党政治に有権者の不満は高まっている。住民の生命と暮らしを守る戦いを野党が一致協力して推進する」と訴える。

10日に奄美入りし、街頭演説などを行う。19日の公示直後にも再来島を予定している。