徳之島町・東天城中で学校安全総合支援で実践発表

東天城中であった「学校安全総合支援事業『安全教育』」実践公開=8日、徳之島町

児童生徒の防災意識向上

【徳之島】文部科学省の2020年度/21年度学校安全総合支援事業指定地区として「防災教育」に取り組んだ徳之島町の「東母花地区」(東天城中学校・母間小学校・花徳小学校)の実践公開が8日、拠点校の東天城中であった。防災意識の向上など成果や課題などの実践発表、公開授業、分科会、指導講話などを通して防災教育を考えた。

モデル地区選定は、徳之島町北東部の外洋に面した東天城中など「東母花地区」は、南海トラフ地震級など巨大地震の発生時、津波で甚大な被害を受ける危険性が高いこと。さらに基幹道路も海岸沿いにあり、津波発生時は、交通・物流経路が遮断され、救助や救難活動も困難を極めることが予想されることなどが理由。

同3校の研究主題は「『学び、理解し、伝え』ながら、よりよい生き方を追求できる生徒の育成~基礎学力を活用できる学習形態の工夫と安全教育と安全教育の推進~」。実践例では気象予報士の講演会や人型ロボット「Pepper」を使った防災授業、気象台の出前授業。先進地視察・研修(職員)。リモートによる語り部(宮城県石巻市)体験談。避難訓練・方法の見直しと防災学習の時間の位置づけ(レスキュータイムの実施)などに取り組んだ。

拠点校・東天城中であった実践発表会には町内外から教職員ら約50人が参加。福宏人町教育長のあいさつなど開会行事に続き、全体会では同中の福井健人教諭が実践発表した。

成果と課題に関する生徒アンケートでは「防災に関する活動や講話、避難訓練の工夫などで生徒自身の意識や行動は変化しているが、家庭への浸透にはまだ課題が」の指摘も。全体的な成果には「生徒たちは自他の命を守るため主体的に行動しようとの意欲が高まった」など児童生徒の防災意識の高まりを挙げた。

生徒たちを交えた公開授業「もし、学校が『避難所』になったら~避難誘導の模擬学習~」や分科会、指導助言に続き、鹿児島大学共通教育センターの井村隆介准教授が「子どもを守るこれからの防災教育、防災体制の在り方について」指導講話した。