「島の歴史を塗り替えた」

こぶしを上げて優勝を喜ぶ大高野球部員たち(13日、大島高校会議室で)

九州地区高校野球予選、大高優勝
母校では全校応援、大興奮 「コロナ下で最高の思い出」

鹿児島県立大島高校(黒木哲二校長・生徒数710人)は13日、同校が第149回九州地区高校野球大会鹿児島県予選決勝に進んだことから、急きょ全校応援を決定。1・2年生が体育館、観戦を希望する3年生が多目的ホール、野球部員らは会議室で、パブリックビューイング方式で決勝戦を観戦。優勝が決まると野球部員らはハト(指笛)を吹き、手踊り。安勝山に響くような拍手と大歓声があがった。引退した3年生の安田秀太郎前主将(18)は「島の歴史を塗り替えた」と興奮しながら後輩たちを絶賛した。

午前10時に試合開始。密を避けて、体育館、多目的ホール、会議室にそれぞれが移動し、野球を観戦。回が進むごとに生徒たちは一喜一憂。7回裏に同点になった時は、大画面に映すスマホとUSBコンセントが抜けるほど。 

野球部マネージャーで3年生の米田美咲さんら4人は、記録をとりながら観戦。「本当にうれしい。良かった。手汗でいっぱい」と、興奮しながら話した。

安田前主将は「ベスト4どまりだった島の歴史を塗り替えた。全校応援できてよかった。OBが見たセンバツの甲子園の景色を自分たちも見たい。優勝して本当に良かった」と感無量。

永迫昌毅教頭は、技術的なことでできるかどうか「本当にすごい試合だった。大野が集中力を切らさずによく投げた。名勝負。コロナ下で全校応援をできたことは在校生の最高の思い出、いいニュースとなった」と喜びを語った。

安陵会の丸田卯禮男会長は、妻のみどりさんとNHKFMラジオで野球視聴。「すごい。初優勝。延長13回、タイブレーク方式で大野が2塁、4番が打って、足も速い大野がホームに戻って優勝。一人で投げて打って走ってすごいすごい。120周年記念にふさわしい。ぜひ、再び甲子園に連れていって欲しいね」と興奮気味に話した。

2014年時に選抜高校野球に出場した重原龍成元主将(25)は現在、龍郷町役場町民税務課主事。「僕らも興奮した。勝ってよかった。勤務中なので、みんなで静かに盛り上がっていた。土壇場で逆転が多かった。今後もひたむきに目標に向かってやっていって欲しい。OB として甲子園に行きたいですよ」と、笑顔で話した。