宇検村・阿室小中 湯湾岳で自然観察活動

木登りして休んでいたハナサキガエル

ドングリの仲間で毒のあるシキミの説明に聞き入る子どもたち

「ハブのあくびだ」と画面に見入る児童たち

森と一体に
ハナサキガエルに出会った

 県は、次世代を担う子どもたちに森林環境の維持増進と、保全管理の重要性に対する理解を深めてもらうため、小中学校の児童生徒たちを対象に自然体験活動などを行っている。14日、宇検村立阿室小中学校(中村正治校長)の児童生徒20人が、湯湾岳での自然活動や奄美野生生物保護センターの施設見学などを行った。

 湯湾岳では、県森林技術総合センター森林環境部の片野田逸朗部長が講師を務め、森林の生物多様性を学習後、登山道を登りながら湯湾岳の希少な動植物を紹介、観察した。登山道では2分間立ち止まって、森の声を聴く体験を行い、「虫や風、鳥、空気の冷たさなど、一体となって体感して」と森の息遣いを感じさせるひとときも。

 麓では28度、湯湾岳は23度。5度も違ってひんやり。雨も霧も多く、湯湾岳にしかないアマミヒメタカラ、ミヤビカンアオイ、アマミフユイチゴなどを観察。奄美の守護神と言われる山頂手前の祠(ほこら)に到着。

 子どもたちは途中、ハナサキガエルを見つけたり、タブレットで写真を撮ったり、湯湾岳の森の中をじっくり観察した。

 また、奄美野生生物保護センターでは、池上温人自然保護官補佐が、ナビゲーターを務め、世界自然遺産の学習や施設見学を行った。
動物観察に熱中していた児童たちは、「ハブのあくびだ」と動画の画面に目を奪われていた。

 湯湾岳に両親と宇検村側から登ったことのある中学1年生の後藤愛彩さん?は、「すごく涼しいんだなあと思った。見たことのない植物をもっとたくさん見てみたい」と感想を述べた。

 4年生の富岡優くん?は、「楽しかった。ミヤビカンアオイなど珍しい植物を見られてよかった」と話し、5年生の宮原航太くん?は、「生態系や固有種のことは好きなので、詳しく知れてとても嬉しかった」と話した。