JAL社長が市長表敬

朝山市長を表敬したJALの赤坂社長(中央右)

奄美の永続的な発展で連携へ
体験型観光とドローン活用推進

日本航空(JAL)の赤坂祐二代表取締役社長ら関係者が15日、奄美市の朝山毅市長を表敬訪問、世界自然遺産に登録された奄美大島と徳之島の自然環境保全と活用の両立を図りながら、奄美の振興をめざす「奄美群島サステナブルプロジェクト」を展開することを報告した。同プロジェクトは、地域住民と連携し農業体験や自然保護活動などを通した体験型観光メニューを開発、関係人口の拡大を図る「ビレッジプロジェクト」と、ドローンを活用した地域課題の解決に取り組む「ドローンプロジェクト」の2本柱で、世界自然遺産となった奄美の永続的な発展に向け、地元と連携した事業展開を図る。

「保全と地域振興両立」

「ビレッジプロジェクト」は、農家民泊や農業体験などのファームステイをベースにしたワーケーションなどの体験型観光メニューを整備、外来種駆除やアマミノクロウサギのロードキル防止などの環境保全体験型の観光ツアー、農産加工品などの特産品の販路開拓、6次産品化の共同開発などに、同グループ社員と地域住民が連携して取り組む。

体験型観光メニューなどを提供する同村のNPO法人「TAMASU(タマス)」と連携、来年2月ごろをめどに農家民泊研修の開催なども検討している。

ドローンプロジェクトは、同社と日本エアコミューター(JAC)が、昨年10月に瀬戸内町と締結したドローン活用による課題可決の連携協定に基づく取り組み。▽災害発生時の孤立集落等への救援物資輸送▽島民・観光客向け日用品や医療関係品の輸送サービス▽空飛ぶクルマへの拡張性―について、22年度に実証実験を実施、23年度の事業化を目指す。将来的には奄美大島全体を対象に事業展開も検討する。

同日、JACの越智健一郎代表取締役社長らと共に市役所を訪れた赤坂社長は、朝山市長にプロジェクト内容を説明。同社の航空機の模型を手渡し、プロジェクトへの協力などを呼び掛けた。

赤坂社長は「奄美はグループ企業のJAC発祥の地で、60年に及ぶ運航の歴史を持つ縁ある地域。航空ネットワークを生かした地域支援だけでなく、地に足をつけた地域支援を推進、奄美の環境保全と地域振興を両立できるプロジェクトにしたい」と抱負を語った。

朝山市長は「JALグループには、これまでも奄美の魅力発信や島への誘客などの支援をいただいてきた。今後も、世界自然遺産登録を契機とした観光振興など様々な形で支援をお願いしたい」と感謝した。