「読書通帳」システム開始

「読書通帳」システム運用開始式=16日、天城町立図書館

天城町立図書館 読書普及に期待

【徳之島】天城町立図書館(豊蔵錦子館長)が2021年度地方創生臨時交付金の「広がる世界夢ある図書館パワーアップ事業」で進めた「読書通帳システム」の運用開始式が16日あった。森田弘光町長や児童や一般代表が利用を始め、読書活動の一層の普及に期待を寄せ合った。

預貯金のATM(自動預け払い機)に似た機器に「読書通帳」を通すと貸出日や図書名、著者名、定価、分類、個々の読書冊数や購入した場合の定価・累計などを記帳。目に見える形での達成感が得られ、さらなる読書意欲の向上にもつながる。

同図書館(蔵書約5万5300冊)でも新型コロナウイルス感染症の影響で今年も約50日間の休館を余儀なくされるなど貸出し冊数ともに減少した。そのため同感染症対応の地方創生臨時交付金の約270万円を活用して整備を進めていた。

自らも本を借りて同利用者の第1号となった森田町長は、長田弘著『読書からはじまる』を引用しつつ、「一冊でも多く本を読んで、忘れてはならない言葉、自分の心の中にしっかりと蓄えていく言葉を本の中から見つけ出して欲しい」などと児童ら家族連れにアピールした。

昨年1年間、計170冊を借りて読んだ児童代表の竹田百笑(ももえ)さん=岡前小3年生=は「読書通帳を通して今までよりもたくさんの本を借りたい。(ジャンルは)歴史ものが好きで、特に清少納言と紫式部に興味があります」と話していた。

同システムの導入は奄美群島では徳之島3町をはじめ5例目という。