5・6年生向けにタブレットを使用した社会科の授業を行う青木教諭(芦花部小)
オンラインで大川小、小湊小、崎原小、知根小の教員と議論する佐藤教諭(芦花部小)
2021年度奄美市名瀬・住用地区複式教育研修会が19日、奄美市立芦花部小中学校(今村敏照校長・児童23人、生徒21人)とオンラインで開催された。初めて芦花部小、小湊小、知根小、大川小、崎原小、東城小、市小、住用小の8校44人の教員をオンラインで結んで研修を実施。複式学級でのタブレットを用いた授業方法や集合学習についてなど、理解と交流を深めた。
文部科学省のGIGAスクール構想の実現に向けて、奄美市では今年3月に1人1台タブレット端末を配布し、6月から授業内での活用を開始。同市では写真を撮って送る、子どもたちにプリントを配布・回収するなど五つのGIGAテクを提示し、学校現場での活用率が上がってきている。活用の幅を広げるためと、複式学級の集合学習、担任同士の連携強化などを狙って同研修会が行われた。
第1部は授業研究・実践発表で、テーマは「複式学級におけるガイド学習を活かした社会科学習の研究~1人1台タブレット端末を活用した授業作り~」。芦花部小5・6年担任の青木一紘教諭が「5年:くらしを支える工業生産」と「6年:戦国の世から天下統一へ」の授業を行い、3台のカメラを用いて配信。授業の中でNHK for School(学校向けコンテンツ)やロイロノート(タブレット用の授業支援アプリ)をうまく使う様子を示した。授業終了後、青木教諭がタブレットを使った授業のノウハウを紹介、参加者から熱心な質問があった。青木教諭は「児童があいた時間に次の活動を指示しやすく、タブレットが使えるのは複式学級にとって非常にありがたい」と話した。同市教育委員会学校教育課の赤﨑博武指導主事は「ICTを活用することで、子どもたちは他の学校、本土、外国にもつながることができる。まずはコンテンツ利用から進めていこう」と呼び掛けた。
第2部は複式5校(芦花部小、小湊小、知根小、大川小、崎原小)集合学習検討会および全体会。集合学習とは、複式学級が一堂に会して学習を行い、単式学級での学習やレクリエーションなどを通して交流を行う学習。今後の集合学習について、低学年、3・4年、5・6年、管理職の四つのグループに分かれて議論した。3・4年の担任をしている芦花部小の佐藤絵里奈教諭はオンラインで他校の3・4年生担当の教員と議論。「集合学習は5校で会って音楽や体育などを中心に行いたい。話し合い活動などは教員同士が個人的に連絡をとり、2校でも3校でもつながってオンライン授業をやれたらいい」などの意見が出た。