鹿児島2区出陣式

左から三反園訓候補、金子万寿夫候補、松崎真琴候補
 
衆院選 三つどもえの激戦
大票田の鹿児島市谷山で第一声

 衆院選が19日公示され、31日の投開票に向け12日間の選挙戦がスタートした。奄美群島を含む鹿児島2区に名乗りを上げたのは、元県議で共産党新人の松崎真琴候補(63)、自民党前職で4期目を目指す金子万寿夫候補(74)、前知事で無所属新人の三反園訓候補(63)=届け出順=の3人。それぞれ選挙区内で最も有権者の多い鹿児島市谷山地区で出陣式や出発式に臨み、第一声を上げた。野党共闘による統一候補として政権交代を訴える松崎候補に対し、金子候補が固い保守地盤を死守することができるか、また、前知事の知名度生かした三反園氏が保守層に食い込むことができるか、三つどもえの激戦が予想される。

「野党共闘で政権交代」
松崎氏陣営

 午前9時ごろ、鹿児島市の谷山中央第一公園で出陣式。「野党共闘で政権交代を実現しよう!」と第一声を挙げた。

 会場には支援者らが集まり、共産党の平良行雄県議が「9年間続いた国民無視の安倍・菅政権を継承する岸田政権に私たちの命を預けることはできない」と強調。2区で野党統一候補が出馬するのは初めてで、「ALLかごしま」共同代表の樋之口里花さんは「野党の協力で鹿児島の全4区で統一候補が立てられた。この頑張りに市民も応えて、国政に送り出そう」と訴えた。立民、社民からもメッセージが送られ、最後に松崎候補が意気込みを語った。

 コロナ対策の失敗や憲法改正、原発推進などを進める自公政権を批判し「国民の声や願いが生きる新しい政治を作っていく」と決意を述べた。

 締めくくりは「今こそ政権交代」「なによりいのち」のスローガンを連呼し「団結、頑張ろう!」を三唱して、遊説に出発、同日夕には徳之島入りした。

「自公政権で課題解決」
金子氏陣営

 金子候補は、午前9時ごろから、鹿児島市卸本町のオロシティホールで出陣式。詰めかけた大勢の支持者を前に「都市部の谷山地区、観光の指宿、農漁業の南薩地域、世界自然遺産登録された奄美をはじめとする離島地域の発展ため、しっかりと引き続き国政の場で、頑張らせていただきたい」と決意を示し、支持を呼び掛けた。

 会場には、県選出の園田修光参院議員をはじめ、公明党県本部の松田浩孝幹事長、自民党県議、党友好団体の代表らが出席。公明党の推薦状授与式も行われた。

 柿本一則後援会長や園田参院議員らの激励を受けた金子候補は、最後にマイクを握り「地方こそが原点という政治姿勢で取り組んできた。自公政権でなければ、地域の課題は解決できない。一人の力では勝てない。みさんの力を貸してほしい」と訴えた。

 その後は出席者全員でガンバロー三唱して気勢を上げ、谷山地区や南薩各市での遊説に繰り出した。

「弱者のための政治を」
三反園氏陣営

 午前9時5分ごろ、鹿児島市東開町の東開ひろばで出陣式。三反園氏は「鹿児島県はこのままでいいのか。政治の原点は弱い人のためにある。それを目指すのが三反園だ」と第一声を挙げた。

 会場には支持者を始め、婦人部関係者などが応援に詰め掛けた。女性部の平山チヅ子代表は「官邸主導の壊れかけた民主主義を立て直せるのは三反園氏だけだ」など激励した。

 マイクを握った三反園氏は、鹿児島県知事時代の実績やキャスター時代に国会に通い続けた経験を強調。「よかとこだが、まだまだ所得は低い。出ていく若者を減らし、住んでよかったと思えるまちにすることが私の仕事だ」と訴えた。

 1年以上に渡る草の根活動を展開してきた三反園氏は「売り込みを望む農家、コロナ禍で疲弊する観光事業者もまだまだ多い。よりよい日本、鹿児島のためには今変えなければならない」と主張。「全力で取り組む、力を貸していただきたい」と支持を訴えた。