県内4選挙区10人立候補

三つどもえの争いとなっている鹿児島2区の出陣式。保守票争奪が激しさを増している(一部加工してます)

衆院選 激戦火ぶた切る
三つどもえ2区 保守票の行方注目

 第49回衆院選が19日公示され、31日の投開票に向け12日間の選挙戦に突入した。4年ぶりの衆院選では新型コロナウイルス対策や経済再生を最大争点に、現政権の継続か転換か政権選択の選挙となる。鹿児島県内4選挙区には計10人が立候補、現行の小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降最少の立候補者数。奄美群島が含まれる2区には3人が立候補しており、いずれも大票田・鹿児島市谷山地区で出陣式、三つどもえの激戦の火ぶたが切られた。

 県内選挙区の立候補届け出の受付は午前8時半から県庁6階大会議室であった。各陣営は選挙区ごとにくじ引きで届け出順を決めた後、選管に事前に提出していた書類の審査を済ませ、腕章や表札など選挙の「七つ道具」を受け取り、出陣式会場へ。候補者らは各選挙区で第一声をあげた。

 県内選挙区別の立候補者数は、1区と3区が2人、2区と4区が3人。党派別は、自民党がいずれも前職の計4人。立憲民主党が前職1人、元職1人の計2人。共産党が新人1人。社民党が新人1人。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」が新人1人。無所属1人。野党が候補者調整で統一候補を擁立したことで、県内選挙区でも与野党対決が鮮明だが、2区のみ保守系の無所属が加わる構図となっている。

 立候補者は届け出順に、2区が共産党新人で元県議の松崎真琴氏(63)、自民党前職で4期目を目指す金子万寿夫氏(74)、無所属新人で前知事の三反園訓氏(63)。保守票争奪へ金子氏と三反園氏が激しく争っており、金子氏は自民・公明両党の友好団体による組織戦と同時に、地元選出議員と選挙区内でのあいさつ回りと「どぶ板選挙」も繰り広げてきた。前知事の三反園氏は昨年8月以降、谷山地区でのつじ立ちや商店街訪問など対面重視の「どぶ板選挙」を徹底、知事時代の人脈により奄美でも支持を広げている。一方、松崎氏は「政権交代」を訴え街宣活動を続けてきた。保守系の2氏が激しく争うことで票が分裂・分散すれば勝機があるとして、コロナ対策など自公政権の批判を徹底している。

 3氏の奄美への公約では、「奄美の軍事基地化許さない」(松崎氏)、「コロナ乗り越え、奄美新時代へ」(金子氏)、「第二の故郷、奄美群島の発展へ」(三反園氏)をそれぞれスローガンに掲げている。

 投開票日は31日だが、瀬戸内町の請島、与路島などは30日に繰り上げ投票が行われる。2区の選挙人名簿登録者数(10月18日現在)は33万7660人(男15万8813人、女17万8847人)。

 他の選挙区の候補者(いずれも届け出順)は次の通り。
 【1区】立民前職・川内博史氏(59)、自民前職・宮路拓馬氏(41)
 【3区】自民前職・小里泰弘氏(63)、立民元職・野間健氏(63)
 【4区】社民新人・米永淳子氏(58)、N新人・宮川直輝氏(48)、自民前職・森山裕氏(76)