奄美市長選

公開討論会に出席した永井氏(左)と安田氏(20日、奄美市名瀬の奄美テレビ)

掲げる政策伝える
JC主催 立候補予定2氏、公開討論会

 奄美市長選(11月7日告示、14日投開票)の立候補予定者に、同市が抱える課題の解決策や将来像などを聞く「WEB公開討論会」が20日午後7時、同市名瀬長浜町の奄美テレビで行われた。これまでに立候補を表明している元県議の永井章義氏(64)と元市議の安田壮平氏(42)(いずれも無所属新人)=五十音順=の2人が出席。約40分間、新型コロナウイルスで疲弊した地域経済の立て直しなど選挙戦に向けて掲げる政策について、それぞれの考えを有権者らに伝えた。

 討論会は奄美大島青年会議所(奄美大島JC、前平聖理事長)が主催。新型コロナ感染防止のため無観客で行われた。同テレビで同日、生放送されたほか、23日から11月14日まで、同JCのYouTubeチャンネルでも配信される。

 討論会は、同JCが事前に用意した質問に、両氏が答える形で進められ、公平中立を期すため、それぞれの発言時間は3分以内とされた。

 質問は①新型コロナで疲弊した地域経済の振興と困窮者への支援②世界自然遺産登録に対する抱負と今後の環境問題への取り組み③子どもたちの教育の課題と格差対策―の3点で、それぞれの政策や考えなどを順番に聞いた。

 永井氏は、新型コロナ対策として、1世帯当たり1万円の商品券を配布。10億円規模の準備基金を創設、緊急事態などに備える。世界自然遺産登録後の取り組みでは、ロードキル対策を「喫緊の課題」とし、減速帯の設置や夜間の観察ルールを明確にする方針を示した。教育問題については、「身近にある自然の価値、希少動植物の保全の必要性を教え、郷土教育の充実に努めることで、島で生まれ育った喜びと誇りを持てるようにしたい」などと述べた。

 安田氏も新型コロナ対策として、商品券の発行を検討するとし、これまで十分に支援が行き届いていない業種や家庭などへの独自支援を検討する考えを示した。世界自然遺産については、「環境保全や歴史文化継承と経済活性化のバランスを取り持続可能な地域づくりを進める」とし、宿泊、交通、飲食などを磨き上げ、高付加価値な体験型観光の普及を推進するとした。教育問題では、「子ども総合支援条例」を制定、ひとり親家庭などを継続的に支援する。

 討論会を主催した同JCの前平会長は「立候補予定者の声を市民に届けることで、選挙、政治に対する思いを幅広い有権者に知ってもらう場になった。選挙では、政策本位の選択をしてほしい」と呼び掛けた。