徳之島ダム 水位低下で姿

ダム水位低下で姿を現した珍風景「水中世界へ伸びる道?」(円内は現・住木野橋より)=22日、徳之島ダム(天城町)

珍風景「水中世界へ伸びる道!?」

【徳之島】「まるで水中の世界へ続く道?」。国営かんがい排水事業で天城町秋利神(あきりがみ)川水系に建設の「徳之島ダム」(有効貯水量730万トン)。試験たん水期間を含め貯水開始から約7年。水没していた廃道の一部が湖面に姿を現し、「おそらく見納め」の珍風景となっている。

同ダム管理事務所によると、3年前に台風被害を受けたダム下流の「河道取り付け水路河床」の災害復旧工事のため、ダム貯水の水位(満水時の最水深約30メートル)を過去最低の約6メートル引き下げて貯水率59%=22日現在=を維持しているのが原因だ。

天城町建設課によると、再び姿を現した遺構は、同町三京~西阿木名両地区を結ぶ町道・住木野線の一部。古くからテナガエビ捕りなど家族連れの川遊びの場にもなってきた旧「住木野橋」(橋長33メートル)を含め、延長約1キロ区間が廃道となって湖底に沈んだ。

かつての憩いの地の名残に思いを馳せて、ノスタルジックな気分に浸るのは早いかもしれないが、同課の宮山浩課長(55)も「くねくねとカーブが多く、車で走ると楽しい道だった。記録的な大干ばつ渇水とかがない限り、これが見納めになるのでは?」。ダム管理事務所側もこの珍風景は「おそらく最後では」と話した。