奄美を描く美術展

大賞に選ばれた青木薫さんの油彩「節田立神」

大賞に青木薫さん(瀬戸内町)
入賞・入選58作品決まる

 県奄美パーク・田中一村記念美術館開園20周年記念の全国公募展「第20回奄美を描く美術展」(同実行委員会主催)の入賞・入選作品がこのほど、決まった。大賞に選ばれたのは、瀬戸内町在住・青木薫さんの油彩「節田立神」。モノクローム風のストロークでたたずむ立神を描き、女性との対比でスケール感を表現、波や水面に映る様を静かに描いた。

 公募展は奄美の文化振興、観光発展を目的に毎年開催。20回目の節目を迎える今回は全国から、油彩44点、アクリル・水彩32点、日本画・墨10点、工芸1点、その他10点の計97点(出品72人)の応募があった。

 審査は、東京藝術大学名誉教授の中島千波さんが審査委員長を務め、4日に同美術館で実施。入賞11点、入選47点の計58点を選んだ。

 中島審査委員長は「全体的に絵の上手い人が多く、レベルが高い作品展。色合いや構図を勉強し、着実に力をつけて絵に真剣に向かう人のしっかり描いている絵がいくつも見られる」と総評。大賞作品については「大変器用な筆遣いで波の表現や水面への映り込みも表現力があり、岩も生きているような感じで見る側に想像させる力がある」などと評価した。

 作品展は、同館企画展示室で23日~11月17日(午前9時~午後6時)まで開催。入場は無料。新型コロナウイルス感染防止の観点から、授賞式などのイベントは中止となる。

 大賞以外の入賞者は次の通り(敬称略)。

 ▽田中一村記念美術館賞 中村哲郎(奄美市)▽優秀賞 田中孝林(福岡県)、山本英嗣(大阪府)、平輝美(福岡県)、重村敏光(奄美市)、上田泰徳(東京都)▽奄美の海賞 元井晴美(兵庫県)▽奄美の空賞 西口純一(鹿児島県)▽奄美の杜賞 餅原宣久(同)▽ソテツ賞 平芳子(奄美市)