介護ロボを現場の一助に

介護ロボットに理解を深めた「大島地区介護ロボット体験・相談会」

県社協 普及へ奄美で体験・相談会
最新機器など学ぶ

介護現場の人手不足を解決するため、ロボットなどの先端機器の理解や普及を目指す「大島地区介護ロボット体験・相談会」が22日、奄美市名瀬の市社会福祉センターで始まった。1日目は、奄美群島内から介護関係者など12事業所が参加し、事業説明や講義、試用報告を実施。参加者らは、介護現場の一助になればと、介護ロボットの最新機器を学び、役割や必要性に理解を深めた。

厚生労働省が進める「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットホーム事業」の一環で、県社会福祉協議会(介護実習・普及センター)が主催。介護現場では今後の人材不足を見据え、介護の質の維持向上、職員の負担軽減が急務となっており、同社協は県の委託を受けて相談窓口の設置、介護ロボットを貸し出すなど普及・橋渡しの拠点として取り組みを進めている。

県くらし保健福祉部によると、県内介護人材の需要見込みは2025年には約2200人が不足。20年度の労働実態調査では、約62・9%の事業所が従業員について「不足している」と答えている。

介護ロボットはどんな課題を解決できるのか。講義で鹿児島大学医学部保健学科作業療法学専攻助教(博士)、同窓口アドバイザーの吉満孝二さんは「得られる対価や事業所のニーズを鑑みて選択すべき」とし、立ち上がりや移動を支援するロボット、マットレスの下に敷いて心拍や呼吸、睡眠をモニターするシステムなど7タイプの最新機器を紹介。「(ロボット導入は)今後は避けて通れない問題。事業継続、介助者の負担軽減など今課題を解決できる唯一の方法はロボットだけで、使うことで変革してほしい」など話した。

介護老人保健施設スイートケアなかよしの職員は現場での試用体験を発表。「ロボットで効率化が図られ、新しい介護方法の発見、利用者のQOL(生活の質)向上などにつながると感じた」などと報告した。

23日は、介護ロボットを会場に展示。実際にふれて体験する。