奄美大島・世界自然遺産登録記念式典

塩田県知事と5市町村長(前列)に世界自然遺産認定証(レプリカ)が授与された

 

 

リュウキュウアユ保護活動の発表をする住用小学校の児童たち

 

 

「世界の宝」守る決意新た
認定証レプリカ授与

 

 鹿児島県は23日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録記念式典を奄美市市民交流センターで開いた。登録までの道のりをたたえるとともに、世界の宝となった奄美のすばらしい自然を次の世代に継承していくための決意を新たにした。

 式典は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県、県議会、環境省、林野庁、市町村、関係団体など関係者73人のみの参加となった。

 冒頭で、大島紬に身を包んだ塩田康一県知事が「島の宝が世界の宝となった喜びを皆さんと分かち合いたい。関係者の方々に改めて感謝し、地元の皆さまに深く敬意を表する。本県は世界遺産を三つ有する県となった。自然環境の保全と利用の両立を図りつつ、登録の効果が一過性にならないよう、地元市町村や観光関連などと幅広く連携してさまざまな取り組みを進めていく」とあいさつ。続いて来賓として尾辻秀久参院議員(自民党政務調査会奄美振興特別委員会委員長)が「この度の遺産登録は、奄美の自然が極めて美しく貴重であることを世界が認めてくれたということ。この世界の宝を守っていくことが大事。自然を痛めてはいけない」とあいさつした。田之上耕三県議会議長、環境省奥田直久自然環境局長のあいさつもあり、林野庁長官のあいさつも代読された。玉城デニー沖縄県知事からのお祝いメッセージも映像で流れた。

 5市町村長もあいさつ。朝山毅奄美市長は「これまで登録延期勧告など数々の困難があったが、関係者すべての皆さまの努力により、大願成就した。登録が決定した7月26日を『世界自然遺産の日』と条例で定めた。これはゴールではなくスタート。末代まで世界の宝を守っていくことを誓う」と述べた。

 その後、環境省奥田局長が県と奄美大島5市町村に、世界遺産認定証のレプリカを授与した(原本は環境省が保管)。「世界のすべての人々の宝として守られるべきものであることをここに確証する」と記されている。

 地元の小・中学生による自然保護活動の発表もあった。奄美市立住用小学校の所崎黎さん(5年)と濱本紫音さん(6年)は、リュウキュウアユの保護活動として、学習会や観察会、産卵地整地作業や地元FM放送での発信などを紹介。宇検村立阿室小学校5年の宮原航太さんと阿室中学校1年の後藤愛彩さんは、地域の人々との協働による昔ながらの稲作活動「体験!育てよう阿室米」や国際サシバサミットへのオンライン参加などを紹介。英語のスピーチもあった。両校とも堂々とした発表で、会場は聞き入っていた。

 最後に会場の参加者全員で記念撮影を行った。

 県は11月13日に徳之島町の文化会館でも記念式典開催を予定している。