奄美市で「知事とふれあい対話」

市民の意見・要望に答える塩田知事

 

 

島ならではの課題で議論
市民15人が質問や要望
人材不足や嘉徳工事、犬猫譲渡も

 

 

 塩田康一知事と住民との「ふれあい対話」が23日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。知事は集まったNPO法人や観光、社会福祉事業者などの市民15人らと議論。市民代表らからは、人材不足や嘉徳海岸護岸工事の問題にはじまり、犬猫譲渡や食文化の継承など、島ならではの課題が知事にぶつけられた。

 対話は、塩田知事のマニフェストに盛り込まれた施策の一つ。奄美市は県内11市町村目で、奄美群島では昨年10月の徳之島3町以来の訪問となった。

 対話は、自治体推薦の5人と公募による10人の市民が発言・質問した後、知事が答える形で進行。会場では100人を上限に募った傍聴者が見守った。

 市民からは「出ていく子どもたちが島に帰ってくるための教育推進、Uターン促進へ道筋を」「県外への犬猫譲渡には人が現地に出向いた上で付き添いも必要。航空会社が配送を仲介するなど仕組みづくりを」「嘉徳海岸の砂は戻っている。現地視察やオープンな議論の場の設定を」などの意見・要望が出された。

 塩田知事は、Uターン促進について「生物多様性など地元の人もわからないことが多い。小さいころから価値を学ぶことが必要」。犬猫譲渡では「規制を合理化できるのかなど国の担当部署に問い合わせたい」と答え、嘉徳海岸については「災害が激甚化する中で、(整備の)要望もある。指摘を踏まえて考えていきたい」などと回答した。

 この他、▽群島内の食文化を守るためのネットワークづくり推進▽漂着する軽石除去への支援▽フリースクール通学への経済的補助▽言語療法士や臨床心理士の配置▽住用町市集落の赤土流出対応―などが質問。塩田知事は要望への検討や推進を約束した。

 24日は、大和村防災センター(午前9時半~)と宇検村生涯学習センター(午後1時半~)の2カ所で行われる。