宇検村でマイクロチップ装着会

出張診療車で伊藤獣医師(右)から施術を受ける飼い猫たち(宇検村田検公民館前)

遺棄、行方不明の飼い猫、識別へ
20匹が装着 愛する猫「管理し守って」

宇検村は24日、遺棄、行方不明になった飼い猫の個体識別のための「マイクロチップ装着会」を村内各地で開いた。奄美大島の各自治体が定めた「飼い猫条例」に応じたもので、この日は村内8集落で、新たな飼い猫20匹に装着を済ませた。

マイクロチップは円筒形で、個体番号を記録し注射で猫の体に埋め込む。専用の機器をかざして番号を読み取ると、飼い主の情報などがわかる仕組みになっている。

飼い主情報の届け出やマイクロチップ装着の義務化は、奄美大島5市町村が足並みをそろえて条例を改正し、2018年から施行。違反者には罰則も導入。背景には野生化した猫(ノネコ)が希少動物を襲う問題などがあった。

宇検村は同日現在、99匹が登録。うち46匹がすでに装着している。取り組み指針は環境省の「奄美大島ノネコ管理計画ロードマップ」で重点地区ごとにわけて公表。宇検村はAとBの2地区で、2024年までに装着率70%の数値目標が掲げられている。

この日は役場・環境省職員が村内集落を巡回。施術は奄美いんまや動物病院の伊藤圭子獣医師が担当した。

田検集落の公民館前では、ウニとブンタの2匹の飼い猫を連れて渡聡子さんが会場に来場。問診を受けた後、猫の体にマイクロチップが埋め込まれた。

渡さんは「いい機会だと思い申し込んだ。臆病な猫なので近くまで来てくれて助かる」と話した。同村担当の柳原海住民税務課主事補は「猫も大切な家族の一員。チップ装着や去勢、登録を済ませるなど、しっかり管理することで愛する猫を守ってほしい」と呼び掛けた。

なお、費用は登録費が1050円で、マイクロチップ装着費が4千円。期間中は装着費の4千円を村が負担する。