第1回徳之島子ども支援学会

発達障がい児支援への当事者意識を共有し合った「第1回徳之島子ども支援学会」=24日、伊仙町ほーらい館

シンポで実践・課題の提起
発達障がい支援「当事者意識」を共有

【徳之島】発達障がい児支援に関する「第1回徳之島子ども支援学会」(NPO法人UNISONキノコにじいろクラブ主催)が24日、伊仙町ほーらい館であった。島内の保育園や幼稚園、学校関係者ら約70人が参加。「発達障害ってだれの問題?あなたは何ができる?」との問いかけテーマのシンポジウム、情報交換の分科会で当事者意識の共有に努めた。

主催者の「キノコにじいろクラブ」(芳村潔政理事長)は伊仙町伊仙の旧徳之島農高跡地にある障がい児通所支援事業所。現利用者は0歳~18歳まで約90人。芳村理事長(36)は開会あいさつで「自分自身に何ができるか。いろんな知識・経験を持つ皆さんの発達障がいに対する当事者意識が起爆剤になる」ともアピールした。

シンポジウムには障害児支援にも取り組む幸徳保育園(伊仙町)と亀徳保育園(徳之島町)の両園長、全国生活指導研究協議会委員、県家庭相談員、地元町長らパネリスト6人が登壇。食事・睡眠など基本的な生活習慣、家庭の環境など実例も交え、対処事例や施策、課題を紹介しながらディスカッションした。

日ごろの発達障がい児支援について保育園長は「普通にやってきた保育が通用しない。多動性障がい(ADHD)などの理解に、保育の資質を高めて共通の意識を持つことが大事。家庭、地域、関係機関が一体となって取り組む必要がある」。

家庭相談員は「どんなことがあっても(相談)相手を否定せず、自分の失敗や弱みも見せることで心を開き、学び合うことができる。常に大人の学びも大事」。

ほか、保育園側は「発達障がいがあっても、障がい児から〝障がい者〟に変わる際の環境(就労支援など)づくりなども地域全体で考えれば、良い徳之島になると思う」とも強調していた。

午後からは保育園や小学校の職場別、パニック障がい、音楽療法、栄養学など計10の専門部会・分科会で学び情報を共有した。