駆除後、回収された特定外来植物「ツルヒヨドリ」(左)と防草シートの設置作業
住用町の市道で行政・建設業関係者
11月の開花前に
奄美市・環境省(野生生物保護センター)・建設業関係3団体の合同で26日、特定外来植物「ツルヒヨドリ」の駆除が行われた。環境省がモニタリングで繁殖を確認した市道市―山間線であり、駆除後には防草シートを被せた。
環境省では2016年からツルヒヨドリの分布調査をした結果、奄美大島では11カ所で繁殖が確認されている。今回、駆除作業が行われた繁殖地(住用町山間戸玉地内の市道沿い)は昨年のパトロールで発覚し、市に情報提供。驚異的な繁殖力を持つとされるツルヒヨドリは11月が開花時期だが、花が咲いてしまうと種子が飛び次の世代誕生と繁殖の抑制が困難。そこで6月、7月、そして今回と継続的に開花前の駆除が進められている。
住用総合支所市民福祉課によると約80人が参加。建設業界からは奄美建設業協会、県建設業協会奄美支部、奄美市建友会の3団体が参加した。草刈り機などを使い3カ所に及んだ作業による駆除量は合計1480キログラム。ツルヒヨドリはツルが地面に触れている箇所から根を広げるため、回収したものは拡散しないよう徹底して処分しなければならない。今回の作業でも丁寧に回収しビニール袋に入れられた。
また、日光を遮ることで植物の成長を防ぐため斜面への防草シート設置(面積約55平方メートル)も1カ所で行われた。建設業界も積極的に取り組んでの官民による駆除作業で、特定外来植物の繁殖防止が期待されている。