「島の農業に貢献できるように」と、同町営農支援センターに入所し奮闘する塩澤さん
喜界町で町の農業後継者育成事業を利用しIターン就農を目指す同町営農支援センター研修生の塩澤仁知子=みちこ=さん(22)が、研修を開始し奮闘している。当面はカボチャの栽培などを学びながら、トマトやパッションフルーツなど町が進める野菜や果物の栽培技術の獲得を目指す。塩澤さんは「オールマイティに技術を学び、加工品開発などいろいろな分野を開拓することで、島に貢献できる農家になりたい」と意気込んでいる。
塩澤さんは神奈川県出身。東京農業大学を卒業し、いったんはテレビ番組制作会社に就職したものの、就農への思いは強く退職。学生時代に喜界町でのファームステイで知り合った同町在住の大学先輩を頼って一念発起し、同町へ移り住んだ。
研修は4年間で、1年目は町から補助金を受けながら学び、2年目以降は町運営のアグリハウスに就農し、実際に収益を上げていく。1年目は9月1日から来年8月まで。講義や実践を通して、栽培技術や土づくり、農薬管理や簿記などを学んでいく予定で、受け入れた同町営農支援センターの叶一寿所長も「喜界町の農家として成長してほしい」と期待している。
現在、塩澤さんはカボチャやブロッコリーを育てながら農業の基礎を学習。朝は早くから育苗や散水を手掛け、昼は男性でも重たい肥料の運搬などに悪戦苦闘しつつも、「力仕事は大変だけど、女性目線で工夫しながらやっている」と楽しんでいる様子もうかがえる。
大学の卒業論文では「島しょ地域の振興」を題材に、離島の発展について研究してきた。「学校で頑張ったことも生かしたい」と塩澤さん。「農業を通して雇用創出などのいい循環、地域への活気づくり、刺激になれるような人材になっていきたい」と将来を描いている。