29日から夜間ルールが通年運用される市道三太郎線、スタル俣線、石原栄間線(環境省HPより)
奄美市住用町の市道三太郎線周辺における夜間利用ルールの通年運用が29日午後6時から開始される。「奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議」(事務局=環境省と県・市の担当課)は自然保護と利用の両立を目指し、実証実験を重ねて持続可能な利用ルールを検討してきたが、いよいよ通年運用へ。法的拘束力はなく、協力を依頼するかたちでの実施となる。
29日から運用される利用ルールは住民、ガイド、観光客など夜間に三太郎線周辺を通行するすべての人に適用される。
ルール内容は、①三太郎線の利用については、事前にWEB上の予約システムで各自予約を行う。奄美野生生物保護センターと奄美市住用総合支所市民福祉課でも予約可②三太郎線の走行方向は東西それぞれの入り口から30分間隔で1台ずつ。1時間あたりの利用台数は4台まで。10~3月は午後6時から翌朝6時まで、4~9月は午後7時から翌朝5時まで適用③スタル俣線は夜間通行自粛。石原栄間線利用は予約時に申請し、異常を確認した場合は報告④夜間の野生動物観察ルールとして▽時速10㌔以下で走行▽前の車に追いついたら待機、左ウインカーが出るまで無理に追い抜かない▽動物から離れて静かに観察▽生きものを探すライトは車につき1本―など⑤夜間野生動物観察に不慣れな人はエコツアーガイドの同行(有料)を推奨する―など。詳細は環境省沖縄奄美自然環境事務所ホームページを参照のこと。
予約サイトにはhttps://coubic.com/santaroもしくはQRコードから入る。奄美野生生物保護センターと奄美市住用総合支所市民福祉課でも予約可。他の人への迷惑になるため、仮予約や無断キャンセルをしないよう、呼び掛けている。
ルールの詳細は事前予約時に周知を図る。運用開始後は、利用の多い連休などを中心に、しばらくの間は現地にスタッフなどを配置し、予約確認やルールの周知・協力依頼を行う。
三太郎線は奄美市住用町の東仲間、西仲間集落を結ぶ市道で、近年はアマミノクロウサギなど希少な野生生物を観察できるナイトツアースポットとして人気。利用者増により、希少動物の交通事故やストレス、利用者同士のトラブルなどが増加。世界自然遺産登録に伴い今後も利用者増加が見込まれ、ルールづくりが求められてきた。
問い合わせは電話0997・55・8620、メールRO-AMAMI@env.go.jp環境省奄美群島国立公園管理事務所まで(対応時間午前8時30分~午後5時15分)。