徳之島地区青年農業者会議

意見発表や課題研究プロジェクト発表で交流した徳之島地区青年農業者会議)=29日、徳之島町

 

「地域農業のロールモデルに」
意見発表や課題研究で交流

 

 【徳之島】徳之島地区青年農業者会議(同地区農業青年クラブ連絡協議会主催)が29日、県徳之島事務所会議室であった。「果樹と牛で徳之島を盛り上げる!」と「就農7年目の経営転換~結婚出産育児を経て~」の意見発表や、課題「さとうきびハカマ(葉柄)を活用したショウガの安定生産」の中間発表などを通して研さん交流を深めた。

 営農に関する日ごろのプロジェクト活動成果の発表、相互検討などを通した農業青年クラブ員の資質向上などが目的。会員のほか関係機関・団体、指導農業士など含め約25人が出席。同地区連絡協の平山勝也会長(25)は開会あいさつで「日ごろの青年の頑張りや役割、夢を発表して10年、20年後も明るい徳之島農業の姿を語ろう」と呼び掛けた。

 意見発表の「果樹と牛で徳之島を―」と題して米山恵汰さん(27)=徳之島町井之川=は「徳之島は、繁殖牛の後継者は多いが、タンカンなど果樹の後継者は少ない。現状打破に、畜産と地の利を生かした果樹類を組み合わせた『面白い農業』。地域のロールモデル(模範的人材)となって徳之島を盛り上げていきたい」。

 「就農7年目の経営転換~」と題した壽いづみさん(34)=天城町西阿木名=は、山形県の㈱山形ガールズ農場勤務や地域おこし協力隊などを経てUターン就農し、パッションフルーツなどさまざまな品目の栽培、農産組合やハーベスタ組合の設立、結婚・出産・育児(2児)など歩みを紹介。理想と収益性のギャップも述懐しつつ、「目指す農業、思い描く夢」①作り手の気持ちや想いの伝わる産地直送とブランドづくり②島内自給の野菜作り③島の豊かさを「農業」で創造する―などを紹介した。

 製糖工場排出される「ハカマ」のブロックを畝上のマルチングに活用したショウガの安定生産模索に関するプロジェクトの中間発表で、満宏樹さん(40)=徳之島町亀徳=は「土壌PHが高く鉄欠乏症(葉の黄化)が発生したが、ハカマ敷設とキレート鉄施用で回復」。残された課題に①収量調査・経営性の把握②多品目での活用③ハカマ活用に向けた意見交換―などを挙げた。

 ほか、徳之島町花徳の太勇也さん(31)がスマホやパソコンで使える農作業支援フリーアプリ「アグリハブ」の活用例、機能などを情報提供。徳之島指導農業士会の永吉輝彦会長ら先輩の講評やアドバイスもあった。