「徳之島コンシェルジュ」育成ワークショップ

観光のプロ講師陣(左側)を招へいして始まった「徳之島コンシェルジュ」など育成ワークショップ=30日、徳之島町

おもてなし、商品開発資質アップへ 徳之島観光連盟

 【徳之島】観光庁の実証事業を導入した「徳之島コンシェルジュ・観光商品造成ワークショップ」(一般社団法人徳之島観光連盟主催)の第1回講座が29日、徳之島町であった。島内の観光関連から高校生まで約30人が参加。近畿日本ツーリスト九州や日本航空(JAL)、三重交通㈱など観光業のプロたちを講師に、おもてなしや商品造成の基礎知識などへの学びをスタートした。

 同観光連盟が事業採択を受けた観光庁の「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」の一環。観光業のプロを招いたワークショップでともに考えて観光業の活性化を図るのが目的。背景には「7月に世界自然遺産地域の一つに登録されたが、近隣他島に比べて観光事業が発達しておらず、同島の魅力を発信できていない」(同連盟)との悩みも。

 内容は▽おもてなしとホスピタリティ精神にあふれ、徳之島の観光に関する知識や情報を網羅、観光客と地域をつないで案内する人材の育成を目指すAコース「徳之島コンシェルジュ育成基礎」。▽将来の観光商品(体験ツアーなど)を磨き上げて、よりよい生活文化に溶け込んだツアーの開拓を目指すBコース「徳之島ツアー商品造成」との2コース。来年1月まで計3回シリーズ(計5日間)。

 第1回ワークショップはホテルグランドオーシャンリゾート(同町亀津)であった。受講者は宿泊・料飲など観光関連や行政、地域おこし協力隊、認定エコツアーガイド・通訳案内士、徳之島高校生など。自己紹介で「世界自然遺産の〝島の宝〟を後世に残せるよう模索したい」、「島のことをいっぱい勉強して来島誘導に役立てたい」「プロたちから学べる機会に」など期待を交えた。

 講座では、まず地元観光連盟会員の鈴木竜爾さん(マリンサービス海夢居代表)=徳之島町亀徳=が「徳之島で観光ガイドとして生きる~観光ガイドとして生計を立てるために取り組んできたこと」で報告。㈱知床ネイチャーオフィスの松田光輝代表取締役が「観光における世界自然遺産登録後の変化」でオンライン講話。午後からはA、Bコースに分かれて㈱JALスカイ九州のおもてなし講座インストラクター、三重交通、近畿日本ツーリスト九州の専門家らが講義。質疑も交わし合った。

 第2回ワークショップは11月13日に徳之島町生涯学習センター、第3回同は1月14~16日(2泊3日、場所未定)を予定している。