お薦めの商品を手にする佐々木さん(右)と西川さん(左)
仲見世の前田商店(午前8時半から午後6時まで、水曜日定休)。左奥には浅草寺が見える
【東京】台東区の浅草・仲見世に、このほど「奄美大島の物産コーナー」が登場し、多くの観光客の足を止めていた。奄美の味わいを届けるスポットは年内いっぱい設置され、その後も継続が検討されている。
奄美大島の物産を扱うのは、日本を代表する観光地の一つ、浅草の前田商店(前田一郎代表)。創業100年という同店は、雷門から浅草寺へ続く仲見世通りの中でもひときわ目立つ角地にある。江戸情緒に誘われ、多くの観光客が行き交う「東京観光の代名詞」に、奄美大島の味が9月5日に初めてお目見えした。
じょうひ餅、キビ酢や黒砂糖など16種類を用意したのは西川俊夫さん。奄美とは縁がなかった西川さんだが、仕事を通じて奄美市(旧笠利町)出身で「奄美ふるさと100人応援団」の佐々木国雄さんと出会ったことから、一気に奄美ファンに。現在は、佐々木さんが経営する学校教材や食品を扱う㈱サカリで取締営業部長(奄美食品総合研究所)として、奮闘している。
「2年前から出店の話はありました。世界自然遺産登録が延期されて、再検討。悩みましたが『浅草は東京土産を売る所ではない、お客さんは全国各地の物を求めてくる』の前田さんの言葉に後押しされました」と経緯を語った。前田さんとは20年来の友人で「奄美のPRをお願いしたところ、快諾してもらった」という。西川さんは「正式登録となりましたし、勢いがついてほしいですね」と期待を寄せている。
キビ酢、鶏飯が人気の筆頭を争っているようだ。また、佐々木さんも「奄美に育ちましたので、島への恩返しをしたいのです。奄美の素晴らしさを食品で知ってもらいたい」と語っている。今後は、食品のほかに本場奄美大島紬の小物など30種類へ品目を増やしていく予定だ。9月3日に設置された奄美大島の味わい。売り上げなどの状況を判断しながら、再延期も検討される見通しとなっている。