島の若者がウェディングイベント企画

結婚式を挙げた森田さん夫婦(前列中央)と招待客ら=和泊町=

コロナ禍でも幸せな1日を
結婚式の夢叶える

 【沖永良部】新型コロナウイルスの影響で結婚式を挙げられなかったカップルの夢を叶えようと、島の若者たちがウェディングイベントを企画した。先月30日、和泊町畦布の「海のみえるペンション」でイベントを開催し、2人の門出を祝った。

 企画したのは、島出身の若者らで作る団体「若沖洲会」のメンバー。半年前から島内の飲食店や美容室などと協力してプランを考えた。費用はクラウドファンディングで27万円ほどが集まった。

 新郎新婦は、知名町出身の森田悠士さん(23)と、大分県出身の友香さん(24)。3年前に島に戻り、息子の詠音くん(2)と暮らしている。

 この日は、若沖洲会のメンバーが接客や式の進行を担当。参加者は事前に抗体検査を受け、人数も制限するなど感染対策を徹底した。

 新郎はハーフパンツのセットアップ、新婦はマンダリンオレンジのドレスで登場。屋外に設けられた式場はライトアップされ、招待客は欧米で主流のブライズメイドのように同じ衣装を身につけ、会場を彩った。

 式では、恩師や友人らのビデオメッセージが披露されたほか、歌などの演芸で盛り上がった。

 若沖洲会の吉田雄輝さん(24)は「今回はカジュアルウェディングをコンセプトに島の文化も取り入れたイベントにした。沖永良部の魅力を伝える新しい観光コンテンツにしていきたい」と話した。

 森田さんは「妻のためにも結婚式を挙げたいと思っていた。都会では体験できない、島ならではの式ができて良かった」。友香さんは「子どもが生まれてすぐにコロナ禍になったので、結婚式のことを考える余裕がなかった。本番になるまでどのような式になるのか想像がつかなかったが、とても感動した」と笑顔を見せた。