徳之島町史・自然編『恵みの島』刊行

世界自然遺産登録記念「徳之島町史・自然編『恵みの島』」

世界自然遺産登録記念
写真や図・表交え分かりやすく

 【徳之島】徳之島町誌編纂室は1日、世界自然遺産登録記念「徳之島町史自然編『恵みの島』」を刊行した。多様性に富んだ地質や岩石、希少動植物にいたる写真や図・表約450点を交え分かりやすく解説。奄美群島の自治体史関係では珍しい自然編単独の刊となっている。

 前町誌刊行(1970年)いらい約50年ぶりとなる新町史の編纂事業は2018年4月から開始。購読者の利便性を考慮して①「通史」②「自然編」③「地域編」の3編(冊)に分けて編纂・刊行を進めており、今回の「自然編」刊行はその第一弾。購読者は一般町民および郷土出身者、観光客などが対象。「徳之島の自然の豊かさを知り、興味を持ってもらうための〝入門書〟。見やすさ・読みやすさを重視」(編纂室事務局)している。

 「同自然編『恵みの島』はA4判147ページ。はじめに、中琉球の成立と生物の渡来、徳之島の特徴、奄美群島国立公園と世界自然遺産について解説。本章は①徳之島の地質と岩石②徳之島の植物③徳之島の生き物たち④徳之島の自然を守るためにーの4章で構成。

 自然編の執筆には服部正策(前東京大学特任研究員・農学博士)や成尾英仁(理学博士・元徳之島高教諭)、田畑満大(奄美の自然を考える会顧問)、池村茂(県希少野生動植物保護推進員)、鈴木廣志(鹿児島大名誉教授)、福井俊介(環境省国立公園管理官)ら6氏が協力。

 希少種の写真資料は、徳之島花徳の元歯科医師・故中村正弘氏が撮影した貴重なデータも多数生かされている。
 
 定価は3300円(税込み)。購入希望および問い合わせは徳之島町教育委員会社会教育課・町誌編纂室、電話0997‐82‐2904(FAX82‐2905)。