奄美市新型コロナ情報連絡円卓会議

官民の代表らが新型コロナ対策について意見交換した円卓会議

ワクチン3回目、医療従事者12月にも開始
官民代表らが意見交換

新型コロナウイルス感染症対策に対し、官民が連携し、感染防止対策と経済対策の推進を目指すことなどを目的とした「奄美市新型コロナ情報連絡円卓会議」が5日設置され、初めての会議が同日、奄美市の奄美観光ホテルであった。行政や金融、経済、教育、市民団体など様々な分野の代表ら17人が出席、奄美の感染者の推移や経済状況などの報告と、今後の感染対策や経済対策などについて意見交換した。

円卓会議は、新型コロナの感染状況などを勘案し必要に応じて開催する。会議で出た意見などは、今後の感染対策や経済対策、教育や福祉の現場や市民生活などに反映させることにしている。

この日の会議では、名瀬保健所の相星壮吾所長が奄美医療圏(奄美群島)のこれまでの感染状況などについて説明。昨年4月から今年9月末までの感染者が948人、うち242人が島外搬送されたことを明らかにした。搬送回数は50回にのぼった一方で、搬送が必要だったにもかかわらず、緊急性の優先度や天候、機材の都合がつかないなどの理由で、搬送できなかったケースも同じく約50回程度あったことを報告。「ウイルスはなくなったわけではない。第6波は必ず来ると考え、感染対策など、当たり前のことをばかにせずちゃんとやることが大切」などと指摘した。

奄美市健康増進課の徳永明子課長は、同市のワクチン接種状況について説明、65歳以上の高齢者の接種率が90%を超えた一方、20~30代の接種率が低いことなどを指摘、第6波に備え、さらに接種率を上げる必要がある事などを指摘した。また、国が進める3回目のワクチン接種について、「12月には医療従事者の接種をスタート、1月には高齢者への接種を開始できるよう準備したい」考えを示した。

経済団体や市民団体の代表者らからは、国の緊急事態宣言などの影響で観光や飲食業を中心に厳しい経営を強いられている事業所が多く存在することなどが報告された。また、学校現場でも様々な行事が中止や縮小されるなど影響が出ており、「八月踊りや豊年祭など奄美の伝統行事が中止となり、地域のつながりなど、奄美の良さが失われつつある」といった意見もでた一方、「コロナと共生した奄美の伝統文化の形を考えていく必要もあるのでは」といった意見もあった。