即興アイデアの手作り看板で、アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)防止をアピール=6日、天城町
クロウサギなど希少野生動物の飛び出し事故抑止に「アニマルネット」設置にも協力、岡前小5、6年生たち=6日、天城町
【徳之島】「世界の宝を守りたい」―。天城町教育文化の町推進会議・北部地区推進協議会(昇健児会長)と同地区子ども会は6日、アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)防止のオリジナル看板を共同で手作り。ロードキル多発ポイントの県道・松原轟木線沿いには、クロウサギなど希少野生動物の飛び出し事故を抑えるアニマルネットの設置作業も体験した。
世界自然遺産や自然環境に関する学習を通して、子どもたちがふるさと天城町の世界的な価値に理解を深め、郷土への誇りを育む。さらには、自然環境の魅力を知り、体験することで、自然環境の保全に対する意識の向上が目的。町ぐるみで展開の教育文化の町推進会議の北部地区推進協の活動に絡めた。
活動には、同町立岡前小学校区の▽前野子ども会(同育成会長・鈴木美香さん)と▽松原上区子ども会(同・麓正高さん)の子どもたち約35人と両育成会の保護者ら関係者合わせ約55人が参加した。
子どもたちは午前9時からまず前野公民館で6班(6枚)に分かれて啓発看板づくりに挑戦した。「世界の宝を守ろう!」や「山道はゆっくり」など即興的にひらめいたアピール文と、夜間に目立つカラフルなイラストを水性ペンキで思い思いに描いた。
オリジナル看板(60㌢×45㌢)6枚は即日設置を計画したが、あいにくの悪天候でペンキが乾かないため、育成会の保護者らが後日設置することに。アニマルネット(高さ約1㍍)は保護者らの協力で延長約100㍍設置。高学年の5・6年生児童たちは支柱やロープにネットを結びつける作業も手伝った。
参加児童の1人・峰岡朋輝(ほうらい)君(岡前小4年生)は「クロウサギの事故を減らしたい。世界自然遺産登録はうれしいが、観光客とともにごみが増えないか心配。島を汚さないで楽しんで欲しいです」とニッコリ。
活動を見守った環境省の福井俊介国立公園管理官(27)は「子どもたちがロードキルに関心を持ってくれることはうれしい。世界の宝になったが、それ以前の〝地域の宝〟を自分たちの手で守るこうした取り組みが大変重要になる」と話し、目を細めていた。