奄美市長選告示

支援者と一緒にガンバロー三唱し気勢を上げる永井氏陣営の出陣式

 

 

来場者全員でガンバロー三唱し気勢を上げる安田氏陣営

 

 

新人2人立候補。一騎打ち
7日間の選挙戦スタート

 

 

 任期満了に伴う奄美市長選挙は7日告示され、いずれも無所属新人で、前県議の永井章義氏(64)と前市議の安田壮平氏(42)=届け出順=の2人が立候補した。14日に投票、即日開票される。2009年の市長選以来の新人同士による一騎打ちは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業や市民への支援策や、世界自然遺産登録後の地域振興策、少子高齢化に対応した福祉、教育の充実などを争点に、7日間の戦いがスタートした。

 永井氏は今年7月、5期18年務めた県議を辞職、「朝山市長勇退後の奄美市のかじ取り役を担うべく、これまでの経験と人脈を生かしたい。さらなる奄美市の発展に全身全霊、全力を傾けたい」などと出馬を決意した。公約では、新型コロナ対策として、商品券の発行や市税の減免、感染拡大などに対応する基金創設、観光振興策としてプロデューサー制の導入、福祉関連では保育施設の整備計画策定や3歳未満児の保育料無償化などを掲げている。

 安田氏は今年3月、3期9年半務めた市議を辞職、「新しい時代の奄美市を切り拓く役目を担いたい。市民の声に寄り添い、風通しの良い市政を目指す」などと出馬を決意した。公約では、地域経済の浮揚による「経済的貧困の克服」を重点政策に、「かせぐ、まもる、そだてる」地域づくりを目指す。コロナ禍で支援が行き届いていない事業所への支援や市内各地への「断らない福祉相談窓口」の開設、地域特性を生かした教育の推進などを掲げている。

 今回の選挙は、現職の朝山毅氏の勇退を受け、今後の新たな奄美市のリーダーを決める選挙となる。新型コロナにより大きな打撃を受けている地域経済の活性化や念願だった世界自然遺産登録が実現し、環境保全と観光振興の両立などを目指す政策などが注目される一方、両候補とも保守層を地盤としており、大きな争点が見えないなか、有権者がどのような判断を下すのか注目される。

 また、新人同士の一騎打ちとなり、市民の関心も高いだけに、過去最低を記録した前回投票率(48・06%)を上回ることができるのかも注目される。

 期日前投票は、8日から13日までの6日間、市役所庁舎(名瀬)と住用、笠利の総合支所で行われる。投票は14日午前7時~午後6時まで市内33カ所で。開票は同8時から名瀬小学校体育館である。

 同市の選挙人名簿登録者数は10月18日現在、3万5319人(男1万6773人、女1万8546人)。