奄美群島きび輸送事業協を設立

喜界島・徳之島・沖永良部島地区の計22業者が加入した「奄美群島きび輸送事業協同組合」決起(設立)総会=7日、徳之島町

3島の22事業者が結束
経営・社会的地位の確立を

【徳之島】喜界島・徳之島・沖永良部島の3島のサトウキビ輸送事業者らによる「奄美群島きび輸送事業協同組合」(前陽一理事長、22社)の第1回決起(設立)総会が7日夜、JAあまみ徳之島事業本部ホール(徳之島町)であった。キビ価格や運賃据え置き燃料費の高騰など厳しい運営を余儀なくされているとして、協同精神に基づく「共同配車」の実施など経営的、社会的地位確立への結束を確認した。

組合設立42年目の徳之島きび輸送事業協同組合(前理事長)が中心となって島を越えた結束を打診するなど設立準備を進めていた。設立初年度は計22社(徳之島17、沖永良部島4、喜界島1)が加入しての新たなスタートとなった。

第1回決起(設立)総会には、組合員事業者や関係機関・団体代表の来賓など約40人が出席。前理事長(54)=伊仙町・前運送代表=は開会あいさつで「新たなスタートで群島内の約85%のキビ輸送を担っていくことになり、責任と役割は大きい。協同の精神を基に各事業運営の維持を図り、われわれの社会的・経済的地位も築いていこう」とあらためて協力を求めた。

徳之島3町長を代表して大久保明伊仙町長は、「キビの面積減や輸送費値上げの難しさ、輸送トラックの老朽化など危機的状況にあるなか結束が大事。(行政側は)奄振事業の活用も課題。先人たちが築いてきたキビ産業を絶やさないスタートに」。南西糖業(株)の新美薫常務も「海を越えた共通課題の解決への取り組みは画期的。収益性の見劣りや農家の高齢化・人口減少、約40年間上がらないキビ価格と輸送費の横ばい状況など厳しさがあるが、奄美群島が一致協力してキビ産業の発展に」と期待を寄せた。

協議では2021年度事業計画の基本方針(重点)として、(1)「キビ輸送に関し組合が一括して荷主と輸送契約し、配車計画を立てて共同配車することで、事務の合理化、荷主をはじめ対外に対する信用強化を図る」のほか、(2)「経済的地位の確立・事業の改善」、(3)「講習・研修会」などに関する取り組みも確認。沖永良部、喜界両支部の設置や予算案など全議案を承認した。

「基幹作物きび産業の一翼を担う事業体」として、(1)「きび生産・産業を振興し、地域社会の発展に取り組む」や(2)「交通法令を順守し、交通事故のない社会を築く」など計6項目のスローガンを宣言採択した。