勝利の瞬間、歓喜する大高生(同校体育館)
大島高校野球部が第149回九州地区高校野球大会の準々決勝で、興南高校(沖縄県)と対戦した9日、同校(黒木哲二校長)は体育館と多目的ホールで、鹿児島放送の動画アプリ「KAPLI」ライブ配信を使い、パブリックビューイング(PV)での全校応援が行われた。勝利が決まると生徒たちは拳を振りあげ、喜びが爆発。大きな拍手と歓声があがった。
体育館には1、2年生の生徒約400人。多目的ホールには3年生の希望者(約150人)が観戦。PVの大画面に野球部の勝利を願い、声援を送った。
3回裏にバントでつなぎ塁を進めるたびに、生徒たちは大きな拍手と声援。先取点をあげると声援は大きな歓声となった。引退した3年生の元野球部、村山匠美君は「田邊のファーボールから始まり直江、有馬の二つのバント。そして大野、武田のヒットによる先取点と追加点。打線のつながりが非常によかった」と分析。7回表の守備時、サードの前山選手と外野の竹山選手のファインプレーにはひときわ大きい拍手が起こった。
9回表を守り抜き勝利が決まった瞬間、男子たちは拳を突き上げ、女子生徒は涙目になりながら大きな拍手を送り、1年生は床を転げ回って歓喜した。森晴太郎君(1年)は「先輩たちはすごい。とにかく勝って本当にうれしい。甲子園は決まったが、どうせならこの大会優勝して甲子園に連れてってほしい」と、必勝の鉢巻を額にまいたまま喜んだ。
多目的ホールで3年生と観戦した福元利之教諭は「地方の公立校でここまで勝利するのは本当にすごいこと。球場に応援に行った吹奏楽部やダンス部、校内での応援、地元の方々の思いが選手たちに伝わったのだと思う。今日の勝利は感動して泣きそうだった」と話した。
2014年春のセンバツ初出場は21世紀枠だったが、今回の勝利で同校は自力で甲子園の切符をほぼ確実にした。