群島新ビジョン策定へ始動

17委員が協議した群島新ビジョン策定懇話会

 

 

重点分野など新指針検討
懇話会初会合

 

 奄美群島の10年後のあるべき姿を示す「奄美群島新ビジョン(仮称)」を策定し、奄美群島市町村会へ提言する機関「同懇話会」(座長・原口泉志學館大学教授)の初会合が12日、奄美市名瀬の奄美観光ホテルあった。初回は事務局側から骨子案が示され、基本計画策定に向けた新指針を検討。2022年度に新ビジョンを策定、23年度末までに基本計画・実施計画をまとめていく。

 現行の「奄美群島成長戦略ビジョン」が23年度の期限を迎えることから新たに立案。実施期間は24―33年度。奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長に向けた指標でもあり、群島10カ年の新しい経済・社会の姿を描く方針。群島が抱える課題の解決につなげていく。

 骨子案では現行の計画を踏まえ、起業支援などの「仕事の創出」を重点に産業振興を目指す基本理念を掲げ、「稼ぐ(経済成長)」「つなぐ(資源・価値)」「支える(基盤)」の三つの柱が設定。コロナ禍でも経済をけん引しているものづくりやデジタル、再生エネルギーなどへの取り組みを促す一方、自然や文化を受け継ぐ教育推進などを進める案が示された。

 冒頭、奄美群島広域事務組合管理者で朝山毅奄美市長があいさつ。「大型の財政出動が続く中で懸念もあるが、新しい時代に島民が身近に生活を実感できるよう協力していこう」と激励した。

 協議では、委員で国土交通省国土政策局の笹野健特別地域振興官が「骨太の方針2024の記述に向け、各省とも協議しなければならない素案。〝日本の宝を守る〟と議論できるものを」と要望。委員らは時代の移り変わりなどを踏まえ、議論を交わした。

 なお懇話会は、4島の代表市町村長や有識者など17人の委員で構成。事務局は奄美群島広域事務組合。次回会合は来年1月末ごろを予定している。