徳之島地区世界自然遺産登録で記念式典

世界遺産認定証(レプリカ)授与などがあった自然遺産登録記念式典。徳之島3町長や来賓ら=13日、徳之島町文化会館


自然保護活動の成果を発表した花徳小3、4年生たち

「世界の宝を後世に」

 【徳之島】徳之島地区対象の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」世界自然遺産登録記念式典(鹿児島県主催)が13日、徳之島町文化会館であった。「登録取り組みの常に先頭に立った」との評価も交え、環境省が同島の3町長にそれぞれ「世界遺産認定証」のレプリカ(複製)をあらためて授与。「世界の宝」の豊かな自然と心を後世に引き継ぐ決意をアピールした。

 徳之島を含む奄美・沖縄の同4地域は、絶滅危惧種や希少固有種の多さなど生物多様性が評価され7月26日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第44回世界遺産委員会(オンライン)で登録が決まった。自然遺産では国内で5件目(県内2件目)、人類共通の世界自然遺産となった。

 式典は先月23日の奄美大島地区に続くもので、官民の関係者ら約150人が来場。塩田康一知事はあいさつ(代読)で「島の宝が世界の宝に。幼少期を過ごした私にとっても大変喜ばしく誇らしい。観光振興と自然環境保全の両立を図り、登録効果が一過性・限定的なものにならないよう、リピート率の向上や滞在期間の延長。屋久島―奄美群島を結ぶ世界遺産クルーズの開発やエコツーリズムの振興などにも取り組みたい」とし、関係者に感謝した。

 来賓の森山裕衆院議員ら7氏があいさつを述べた。約18年前から奄美・沖縄の自然遺産登録に取り組んだ環境省の奥田直久自然環境局長は「徳之島は島の面積と森林の面積も狭く、自然と人の距離も非常に近く、推薦には不安があった。しかし、世界自然遺産取り組みで常に先頭に立ってきた。(再推薦にも)変わらぬ熱意、力強い具体的な行動があればこそIUCN(国際自然保護連合)の心を動かしたと思う」とも強調した。

 続いて高岡秀規徳之島町長、森田弘光天城町長、大久保明伊仙町長があいさつ。「今後はこの豊かな自然と心を後世に伝えることを決意。奄振(事業)でも持続可能な地域振興を実現するために努力したい」(高岡町長)などと感謝の念と決意をアピールした。

 そして、環境省の奥田自然環境局長が3町長に対し、世界遺産認定証のレプリカをそれぞれ授与した。
 このあと徳之島町立花徳小学校の3、4年生15人が班ごとに森林や河川生物の自然保護・観察など学習の成果を発表。うち森田劉惺(りゅうせい)君(4年)は「徳之島が自然遺産になったので、いろんなところから人が来ると思う。車は安全運転で楽しみルールも守ってほしいです」とも呼び掛けた。
 午後8時ごろからは徳之島町亀徳新港、山漁港の2か所での記念花火大会もあった。