全校応援が行われた大島高校
「大高旋風」で快進撃を続けた大島高校野球部が九州地区高校野球大会の最終日となる決勝戦で、九国大付高校(福岡1位)と対戦した12日、同校体育館と多目的ホールで鹿児島放送(KKB)の動画アプリ「KAPLI」ライブ配信を使い、パブリックビューイング(PV)での全校応援が行われた。試合序盤から劣勢な展開のなか、優勝を信じ、願う生徒、教職員らは最後まで諦めることなく選手らを鼓舞。敗れたナインを大きな拍手でねぎらった。
体育館には1・2年生の生徒約400人。多目的ホールには3年生の希望者(約120人)が観戦。PV大画面の一挙手一投足を見逃さないと生徒らは野球部の勝利を願い声援、拍手を送った。
3回表までに大量10失点。序盤、点差が離れるたびに、ため息と声援が漏れた。中盤からは準決勝と似た展開になり、生徒らは逆転を信じ、手に汗にぎり応援し続けた。
引退した前野球部主将の安田秀太郎さん(3年)は「後輩たちが活躍している半面、悔しい。輝いて見える。2014年と違い、しっかり決勝までいって勝っているので、ここまで奄美を盛り上げていると思う」と後輩らを称えた。
体育館の前列で応援した生徒会長の田代豊秀さん(2年)は「同学年の選手らが『カッコイイ』有志を見せてくれて誇りに思う。最後まで頑張って」とエールを送った。
準々決勝の興南戦で上鹿。ダンス部顧問の緒方和希教諭は「すごくびっくりしている。準々決勝での武田主将の覚悟が伝わった。頼もしく思えた」と選手らの成長を称えた。
迎えた最終回9回裏、大高野球部の真骨頂を見た。最後まで諦めない選手ら。途中出場した美島が3点本塁打。その後も2点を追加、6点差まで迫り、粘り強さを発揮した。
試合終了後、生徒らは口々に「野球部に勇気や感動をもらった。『ありがとう』を伝えたいと」と話した。
黒木哲二校長は「次につながる試合をしてほしい。誇れる立派な試合をしている。胸を張って帰ってきてほしい」と選手らを労った。
2014年春のセンバツ初出場は21世紀枠だったが、今大会の準優勝で自力で甲子園の切符を確実にした。
出場校を決める選考委員会は、来年1月28日に行われる。