奄美市長選 安田氏が初当選

万歳で初当選を喜ぶ安田氏(14日午後9時30分)

新人一騎打ちの激戦制す
投票率前回大幅に上回る72・26% 1万1千票差で圧勝

任期満了に伴う奄美市長選挙は14日、投票、即日開票され、前市議の安田壮平氏(42)が1万8100票を獲得、前県議の永井章義氏(64)に1万1045票の大差をつけ初当選を果たした。無所属新人同士の一騎打ちとなった選挙戦は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域経済の立て直しや世界自然遺産登録を生かした地域活性化策などが争点となったが、「若さと行動力」を前面に打ち出した安田氏が、幅広い層から支持を得て激戦を制した。現職の勇退で2009年以来となる新人同士の争いに市民の関心は高く、投票率は72・26%で、過去最低だった前回(48・06%)を24・20ポイント上回った。

安田氏は今年7月、「新しい時代の奄美市を切り拓く役目を担いたい」などと立候補を表明。地域経済の浮揚による「経済的貧困の克服」を重点政策に掲げ、市民所得の底上げを目指す考えを示した。公約では、コロナ禍で支援の行き届いていない事業者の支援や観光客受け入れ態勢強化、市内各地への「断らない福祉相談窓口」の開設などを掲げた。選挙戦では市議として市政に携わった経験などを訴え、市民有志らでつくる市民組織「世話人会」を中心とした支援組織で、無党派層などへの浸透も図った。市議時代から続ける街頭でのつじ立ちなどを展開、幅広い支持を得た。

永井氏は県議としての経験と人脈を強調。自民系と公明の市議ら12人が支援、元市長や市区選出の元県議らが選対幹部に名を連ねる組織戦を展開。新型コロナなどの感染症に対応する緊急事態対応準備基金の創設や観光プロデューサー制の導入などを公約に掲げた。選挙戦では、現職市長の支援も受けたが、及ばなかった。

投票は、同日午前7時から午後6時まで町内33カ所で行われ、午後8時から名瀬小学校体育館で即日開票された。開票所には両陣営の支持者ら多くの市民も詰めかけ、開票の行方を見守った。

▽当日有権者数=3万4992人(男1万6594人、女1万8398人)▽投票者総数=2万5286人(男1万1758人、女1万3528人)▽有効投票総数2万5155票、無効など131票▽投票率73・28%(男71・85%、女74・57%)