海上への油流出事故を想定

タンカーからの油流出事故を想定してあった官民合同訓練=16日、天城町平土野港

徳之島 官民で合同対処訓練

【徳之島】奄美群島排出油等防除協議会(会長・矢野秀樹奄美海上保安部長)主催の「油防除訓練」が16日午後、荷役作業中の油タンカーからの流出事故を想定して天城町平土野港であった。同協徳之島支部の関係機関・団体の官民が連携して情報伝達、海上へのオイルフェンス展張、油回収作業など対応訓練を通して流出事故に備えた。

訓練は、万一の油流出事故に備えて関係機関との情報伝達、オイルフェンスを含む油防除資材の取り扱い方など、有事の際の対応方法の確認が目的。徳之島では2019年11月に徳之島町亀徳港岸壁でオイルフェンス展張訓練を実施して以来2年ぶりという。

この日の訓練には巡視船「かいもん」(230トン)で来島の奄美海上保安部をはじめ、徳之島署や地区消防組合、天城町、九州電力送配電(株)新徳之島発電所など同協徳之島支部の構成事業者ら合わせ約60人が参加した。

「平土野港で荷役中の油タンカーから重油500リットルが海上に流出した」と想定。情報伝達訓練に始まり警察車両による交通規制、地区消防組合による周辺住民への広報、岸壁係留中の船舶の周りへのオイルフェンスの展張、岸壁上からの回収作業―など一連の訓練を繰り広げた。

同協議会会長の矢野奄美海保部長は講評で「被害を最小限に食い止めるには発生直後、いかに速やかに対処するか。有事に備えて分担作業を手際よく進める訓練など“顔の見える協力関係”の構築も大事」とも強調。世界自然遺産登録にも関連、地域には「油以外にも海を汚す原因となっているビニールやペットボトルなども持ち帰りきれいな海を保って欲しい」とも語った。