不法投棄、許さない

不法投棄された産業廃棄物を確認する参加者ら

強化月間前に
奄美市山間部で合同パトロール

 11月の「不法投棄防止強化月間」を前に奄美地区産業廃棄物等不法投棄対策等連絡会議は19日、山間部での不法投棄を監視するための合同パトロールを行った。参加者ら約20人は奄美市名瀬有屋町一帯の市道などを視察し、木や谷が邪魔して発見が困難な地域での不法投棄に目を光らせた。

 合同パトロールは、島内の警察と県や市町村の行政で組織する同連絡会議と産業廃棄物業者らでつくる(一社)県産業資源循環協会奄美支部がタッグを組んで1998年から毎年実施。不法投棄は以前よりは減っているものの、毎年20~30カ所で発見しているという。

 午前9時半からは同庁駐車場で出発式を実施。同庁保健福祉環境部衛生・環境室の實成隆志室長は「不法投棄は後を絶たず、美しい自然に影響を与える。世界の宝を引き継ぐのは我々の使命。よい方に変える一助にしよう」とあいさつ。同支部の村上誠会長は「投棄したもの勝ちにならないよう、罰するところは罰していこう」と呼び掛けた。

 パトロールでは、本茶峠など山間部6カ所を回って不法投棄の現状を視察。建設資材を中心に、木材やコンクリート片、車などの産業廃棄物投棄を確認した。

 参加した奄美市不法投棄監視員の青木孝正さん(65)は「不法投棄は減少傾向にあるが、まだまだなくならないのも事実。(投棄者には)世界自然遺産登録の島だということをしっかり自覚してほしい」と訴えた。

 なお期間中は、パトロールを強化。広報車での啓発、意識高揚を促していく。