持続可能な観光地づくりへ

協定書に調印した(左から)マイク・テイラー総支配人、山下哲博代表理事、山元宗町長、尾久土正己学部長=与論町、ゆんぬ体験館=

産官学が協定締結 「100年続く観光業を」 与論町

 【沖永良部】与論町とプリシアリゾートヨロン、和歌山大学観光学部、ヨロン島観光協会の4者は20日、持続可能な観光地づくりの推進にかかわる連携協定を締結した。今後、持続可能な観光の国際指標(GSTC)を活用しながら、島の観光業の発展を図る。

 GSTCは、世界持続可能観光協議会が定めた指標。観光地や観光事業者が最低限順守すべき項目として▽持続可能なマネジメント▽文化遺産の魅力の最大化▽環境負荷の最小化―などを定めている。

 協定では①GSTCの中でも事業者向けの指標(GSTC―I)に基づき、プリシアリゾートヨロンが島内事業者のモデルとなる事業を実践すること②観光協会は観光地向け指標(GSTC―D)に基づく取り組みを実践すること③町は持続可能な取り組みを支援すること④和歌山大学は学術的視点から助言、指導を行うこと―の四つの役割分担を決めた。

 同町のゆんぬ体験館で行われた締結式には、山元宗町長、プリシアリゾートのマイク・テイラー総支配人、観光協会の山下哲博代表理事、和歌山大学観光学部の尾久土正己学部長が出席した。

 マイク・テイラー総支配人は「与論島の観光資源はアジアにおいてもトップクラス。この島から未来のリゾートの姿を作りたい」。尾久土学部長は「これからは産業の持続可能性に取り組むことになる。50年、100年続く観光地づくりのために貢献したい」と話した。

 山町長は「これからは着地型観光が求められている。観光客が、真に与論島を愛してくれるような観光メニューを作り出したい」と期待を込めた。

 同町は今年度から、観光庁の日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS―D)のモデル地区に選定されたほか、全国8市町村で構成される「日本『持続可能な観光地』」協議会の設立にも参画するなど、GSTCを活用した取り組みを始めている。10月には、国際的な認証団体「グリーンデスティネーションズ」(オランダ)が実施する表彰制度である世界の持続可能な観光地「TOP100選」に選ばれた。