奄美大島で初のサシバ全島調査

調査前日の20日、マングローブパーク駐車場で開かれた打ち合わせ会の参加者。8ブロック別に調査方法の説明が行われた

調査初日の21日、加計呂麻島でサシバ調査をする参加者(提供写真)

島内外から56人参加
笠利~加計呂麻8ブロック別に

奄美大島での「サシバ全島調査」が21日から始まり、22日まで2日間行われた。初めてとなるサシバ全島調査には、島内外から調査員・調査補助者合計56人が参加し、奄美大島を8ブロックに分けて、歩いてサシバを探し、サシバの姿や鳴き声を確認した場所を地図上に記録し、調査票に記入していった。

全島調査には、島外から公益財団法人の「アジア猛禽類ネットワーク」(山崎亨会長)、「日本鳥類保護連盟」、「日本自然保護協会」、「日本野鳥の会」メンバーのほか、関西からも関係者が参加。島内からは「環境省奄美野生生物保護センター」、「NPO法人奄美野鳥の会」(鳥飼久裕会長)、「奄美の自然を考える会」(森山力藏会長)メンバーらが参加した。

前日の20日、奄美市住用町のマングローブパーク駐車場で事前打ち合わせ会が開かれた。調査員ら35人以上が参加した。

あいさつした「アジア猛禽類ネットワーク」の山崎会長は「各団体の協力のおかげで全島調査が実現することになり、感謝している。サシバは絶滅危惧II類に指定されている。本土で半年、越冬地で半年過ごす。越冬地での生息環境が悪化すれば、絶滅するかもしれない」「宇検村では(野鳥写真家の与名正三さんの調査で)300羽以上のサシバが越冬していることが分かっているが、奄美大島全体の数は分からず、実態を把握したい。一斉カウントが連携を深めるきっかけになればうれしい」などと述べた。

奄美野鳥の会の鳥飼会長は「奄美大島の固有種の調査を中心に調査してきた。サシバの実態は分かっておらず、一緒にやらせてもらいたい」と述べた。

8ブロック(宇検村、瀬戸内町加計呂麻島、大和村、奄美市住用地区、奄美市名瀬地区、奄美市笠利地区、瀬戸内町、龍郷町)の調査リーダーがあいさつした後、参加者がそれぞれ自己紹介した。

続いて、8ブロック別に分かれて、調査方法の説明が行われた。

21日の調査初日は午前中、笠利地区では時折小雨が降った。調査員1人だけ、調査員と調査補助者2人で調査する参加者もいた。往路2キロ、復路2キロの計4キロのコースを歩いて双眼鏡でサシバを探した。

調査票には▽発見時刻▽年齢(成鳥、幼鳥)▽個体の特徴▽行動分類▽何に止まっていたか▽行動内容▽鳴き声―などを記入した。